(271)布団

 春を通り越して夏日を記録した東京に住む僕だが、ベッドには今だに毛布を敷いている。


 が、さすがに夏日ともなると毛布を敷いたままでは汗をかくので、そろそろ毛布を仕舞おうかとも考えていたりもする訳で。


 布団というのは世界中にあるものだと思っていたのだが、どうやらそういう訳では無い様で、掛け布団はともかく「敷き布団」というのは日本独特の文化だそうだ。


 おかげで布団を英語にしても「Futon」なんだそうで、特に敷き布団を表す別の英語は存在しないらしい。


 小説やアニメの中でも布団に包まる表現やシーンをよく見るが、アニメなどでは何故か薄いシーツの様な布団が出てくる事が多い。


 オシャレなのかどうか知らないが、日本人の僕としては、分厚い布団の方が親近感が湧く訳で。


 しかし、先日出張先でビジネスホテルに泊まった時のベッドの布団は、それこそアニメに出てくる様な薄いシーツの様な布団だった訳で。


 日本のアニメは、今や世界に影響を与えている様で、食べ物や生活用品等のマーケティングにも利用されているそうだ。


 となると、この布団も海外の人々に影響を与えてくれるのではないかとも思える訳で。


 そうなってくれれば、やがて世界中のホテルの布団がフカフカになるのではなかろうか。


 というか、そうなって欲しいんだよな。


 しかし、日本国内も色々変化があって、最近はやたら軽量の布団が増えている様に思えてならない。


 僕はある程度の重みが欲しいタイプなので、飛んで行きそうな程に軽い布団というのは、ちょっと馴染めそうに無いんだよな。


 重たい布団の方が、何だか暖かい気もするしね。


 が、そんなこんなで春になり、夏の面影も近付きつつある今、僕は布団の扱いに悩んでいる訳で。


 コタツ布団もそろそろ片付けるべきかも知れないし、ベッドの敷毛布は撤去してもいいかも知れないな。


 暑がりな彼女がいつも布団を蹴っ飛ばしているしな。


 うむ。


 今週末を目処に、とりあえず敷毛布だけは撤去しよう。


 次に掛け布団を薄くして、夏に備えていかなくちゃな。


 ほんと、季節が移ろいの速さといったら、恐ろしい程だな。


 そんな事を思いつつ、現実では仕事に追われる僕なのであります。

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