(236)も、しか
一月も終わりを迎え、間もなく2月になろうかという今日この頃。
街を歩いていると、男子高校生3人組が大きな声で会話をしながら歩いている姿が見えた。
「今年って、連休が少ねーんだよな」
「マジで?」
「マジマジ。今年のゴールデンウィークは4連休しかねーぞ?」
「えー! サイアクだよ!」
「うわ、マジで4連休じゃん・・・」
「土日を挟んでるせいで連休4日しかねーじゃん!」
「せめて土日のどっちかがあれば5連休なのによ~」
みたいな感じの会話だった。
なるほど。
彼等にとっては休日が「4日しか無い」という感覚なんだな。
かと思えば、
「だけど3連休は9個もあるぜ?」
だそうな。
なるほど。
彼等にとっては連休が「9個もある」という感覚なんだな。
僕からすれば、ゴールデンウィークは「4日も休み」という感覚なんだよな。
私見だが、3連休が多いのは確かに有難い。
が、ゴールデンウィークに10連休とかがあるのは、5月の売上に大きく影響するので自営業主としては困るのだ。
長期休暇ってのは、どうしてもダラダラ過ごしてしまうし、休みボケになってしまって休み明けも仕事が捗らないしでロクな事が無い。
なので、適度な緊張感を維持しつつ売上にも影響しない連休ってのは、せいぜい3連休までというのが僕の見解だ。
つまり、今年はゴールデンウィークが4連休という事なので、例年と比べて5月の売上の落ち込みが少なくて済みそうだと、むしろ嬉しくもある訳で。
それにしても、この「も」とか「しか」というのは国会や報道などでもよく使われる言葉だが、大人の世界ではかなり恣意的に使われる事が多い気がしている。
「被災地支援に47億円しか準備していないのか!」
と訴える野党のセリフと、「47億円もの予算を準備しております」という与党。
つまり、野党の視点では「たったの47億円なのかよ! 少なすぎるだろーが!」という気持ちがくみ取れるし、与党の視点では「47億円という大金をつぎ込んでやってるんだ。感謝しろよ」という気持ちがくみ取れる訳で。
個人の視点では「47億円も」と思えるが、国家の視点では「47億円しか」という感じだろうか。
これは視点主の金銭感覚の基準を何に定めているかによって変わるのだろうな。
つまり、個人視点なら自分の年収とかと比較してそういう感覚になるのだろうし、国家なら年間予算額とか税収と比較しているのだろうという事だ。
今年の年間予算は120兆円。
イレギュラーな出費とはいえ、通貨を発行できる主体である国家が「47億円も」などと言っているのは違和感があるな。
そう言えば昔、どこかの国会議員が大阪の地震で4名が亡くなった事に触れ、
「今回の震災で死者が4名しかいなかったのは・・・」
みたいな事を言っているのを聞いて、それこそ違和感を感じたのを思い出すな。
命が失われる事に対して、「しか」なんて事は無い筈だからだ。
国家って何なんだろうな。
そんな事を思う、今日の僕なのであります。
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