(222)刹那

 刹那と書いて「せつな」と読む。


 元々は仏教用語らしいのだが、時間を表す最小単位が「刹那」という事らしい。


 つまりは、時、分、秒の様な単位の中で、最も短い時間を表す単位が「刹那」という訳だ。


 僕はこの「刹那」をテーマにした作品を構想しだしたところなのだが、考えれば考える程にこのテーマは奥深いのだと痛感する。


 毎日の生活は、この「刹那」の連続な訳で。


 調べてみると、「1刹那」とは「0.013秒」くらいの事なのだそうな。


 つまりは「秒」の1/100くらいの時間という訳だ。


 例えば、テレビアニメ等は1秒間に24枚の絵が描かれていて、それを連続して見せられる事で、まるで絵が動いている様に見える訳だ。


 昔のビデオテープとかだと、1秒間に30フレーム。


 DVDとかだと1秒間に60フレームくらいらしい。


 更に滑らかに動くCGムービーとかだと、1秒間に120フレームとかもあるのだとか。


 つまり、滑らかに動くCGムービーを停止して見る1枚の画像こそが「刹那」の瞬間を見ていると言える訳で。


 僕が中学生の頃、思春期真っ盛りの僕は、近所の高校に通う女子高生が自転車に乗っているのを見ながら、スカートがひらひらしているのを凝視していた事がある。


 見えそうで見えない、だけど極稀に見える事があるパンチラを瞼に焼き付けようとしていた訳だ。


 これも、刹那の美を追い求めた思春期の僕の姿だった気がする訳で。


 そうした努力は何も僕だけではなく、クラスメイトの男子もやっていた。


 その努力が功を奏したのか、大学に行った彼は、休日に通っていたパチスロのリールがコマ送りで見える様になったと言っていた。


 で、僕はというと、その後もずっと「刹那の美」を追い求めていた気がする訳で。


 その「刹那の美」を形にして残そうと、高校以後はずっと芸術系のクラブや学部を経てきた訳だ。


 動く車の「一番かっこいい瞬間」を絵にする。


 歩く人の「一番美しい瞬間」を絵にする。


 ぷにぷにするほっぺの「一番可愛い瞬間」を絵にする。


 つまりは「刹那」を絵にしてきたのが僕な訳で。


 ならば、「刹那」を言葉にして残す事も出来るのでは無いのだろうか。


 そんな事を思ってしまった僕は、「刹那の美」をテーマにした作品を考え出してしまった訳だ。


 まだまだ公開するには時間がかかるだろうが、公開の際には、皆様にも楽しんで頂ければと願う、今日の僕なのであります。

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