(206)色々な色
青々と茂った緑が…
という書出しの文章との出会いが、僕を混乱させるキッカケだった。
「青菜とかの緑黄色野菜を食べなきゃ〜」
という誰かのセリフに首を傾げる様になり、役所の「緑化推進室」みたいな部署の名前を見ると、「本当に緑という認識なんだろうな?」と疑ってみたりする訳で。
しかし、歳と共に「表現」のバリエーションが増えて行くと、この「色表現」の奥深さにも気付かされる訳で。
例えば「紅葉」と書くと、おそらく誰もが真っ赤に色づくモミジを想像するだろう。
だって、「紅葉」と書いて「もみじ」とも読むのだから、当然と言えば当然だ。
「葉」と書いても特定の植物を想像するのは難しいが、「紅」という文字が与えるイメージたるや、「葉」をモミジに変貌させ、「紅」だけでも口紅などを連想させる。
つまり、「人はその『色』から特定の何かを連想出来る」という事な訳で、逆に文中に「色」を沢山入れる事で、その作品の世界観をより読者に想像させやすく出来るのではとも思える訳だ。
例えばこんな色を多様する作品があったとしよう。
「漆黒」「青白い」「真紅」「白銀」
何だかこれたけで、勇者と魔王が戦いそうな世界を想像出来ないだろうか?
他に、こんな色の組合せはどうだろうか?
「真っ青」「褐色」「小麦色」「七色」
僕の場合、晴れた日のビーチで戯れる、日焼けした男女が水しぶきを上げて虹がかかる情景を想像したのだが、皆さんはどうだろうか?
そう言えば、高校生の頃にこっそり読んだエロ小説の色使いも独特だった気がするな。
「サーモンピンク」「薄紅色」「薄桃色」みたいな、赤〜ビンク〜白までのグラデーションみたいなのばかりだった気さえする。
なるほど。
つまり、作品を作る上での情景描写は、色の表現をいかに駆使するかが肝なのかも知れないな。
大切なんだな、「色」って。
改めて、色の奥深さを考えている、今日の僕なのであります。
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