(207)欧米か

 日本語が危機に瀕しているかも知れない。


 そして、僕もその加害者かも知れない。


 街の中に溢れる「英語みたいなカタカナ語」の多さに今更気付いた事に、我ながら反省するばかりだ。


 とある母子の会話では、

「あ、お昼はピザにする?」

 という母親に、

「ピザじゃなくて、『ピッツァ』だよ」

 と答える娘。


 会社の誰かとスマホで話しているサラリーマンらしき男は、

「ソレって部長とコンセンサス取れてる?」

「うん、うん、アグリーだ。それアプルーバル上げといて」

 などと話して颯爽と去ってゆく。


 国会では、

「え〜、それは〜、リスキリングによって、え〜…」

 等と密度スカスカな答弁をしている。


 ギターを背負う若者同士が公園のベンチで、

「あの曲のアレンジさ〜」

「サンプリング入れたくね?」

「マスタリングどうするよ?」

 みたいな会話をしている。


 何処からともなく聞こえてくる宣伝で、

「今ならオリジナルのステッカーをゲット出来ます!」

「アプリをダウンロードしてインストールするだけで、ポイントアーップ!」

 と、もはやカタカナ率が7割を超えるのではという状態な訳で。


 コレってどうなん?


 日本語って、このまま衰退していくの?


 日本の国が衰退しているのと同じ様に、いつの間にか日本語も衰退してゆき、もはや「欧米か?」とツッコミたくなる程だ。


 が、そんな僕も仕事の上ではカタカナだらけで会話している訳で。


 つまるところ、僕もこの「欧米か」とツッコまれる側な訳で。


 更には日本語の衰退に手を貸しているとも言えるだろう。


 という訳で、これからの僕は、もう少し日本語を大切にしようと思うのです。


 でないと、いつかこの国が無くなってしまう気がするので。


 もう年の瀬、令和5年も残り僅かです。


 もう一息、頑張りたいと思います。

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