(193)ロボット

 世の中が日進月歩で便利になっていくと思っていたのは、20年位前の事だろうか。


 今の僕にはどんどん「不便になっていく」様に見えているのだが、皆さんはどう感じるのだろう。


 今日はコンサルの帰りにファミレスでランチしたのだが、今や注文はテーブルのタブレットでするのが当たり前になっているし、配膳もロボットが料理を運んで来る時代になっている。


 その昔、自動車製造を行う工場でロボットを導入し、様々な作業が効率化した事が発端となって、他の企業が我も我もと生産ラインのロボット化が進んでいった。


 その恩恵は、我々消費者も受ける事が出来たし、技術の進歩は人々を幸せにするのだと信じられた。


 が、今はどうだろう。


 IT化が進み、最初に起こった事は「単純な作業ならコンピュータやロボットに任せればいいよね」という訳で、単純作業をしていた作業員や事務員が解雇された。


 更に通信技術やEコマースの発達により、販売店の営業マンや店員が減っていった。


 そうして失業者が増加し、解雇された者達は、賃金の安い末端の作業員として働く事になり、国内の消費は更に冷え込んだ。


 並行して進められた消費税の導入と増税で、消費は更に冷え込み、人々はどんどん貧しくなっていった。


 しまいにゃ、ファミレスの店員を減らしてロボットに配膳させる時代がやって来た訳で。


 百歩譲ってそれは良いとしても、最近のパソコンのOSはどうだろう。


 バージョンアップと共にどんどん無料で使えるソフトが減ってきて、オフィス関係のソフトもどんどん値上がりしている。


 値上がりに合わせて便利になっているかといえば、むしろ逆に、どんどん不便になっているのでは無かろうか。


 おかしい…


 時代の進歩って、こんなんで良いのだろうか。


 みんなは本当に「どんどん便利になってくね!」と思っているのだろうか。


 何だか、だんだんカモられてるだけの様に感じているのは、僕だけなのだろうか…


 いつの間にか、僕の仕事もロボットにとって代わられるのでは無いのだろうか…


 配膳に来たロボットを見ながら、そんな事を思う、今日の僕なのであります。

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