(192)赤ちゃん語

 大阪で育った僕は、幼少の頃は大人達に可愛いがられていたと思っている。


 団塊ジュニア世代として、沢山の同世代が居た訳で、兄弟も多い世帯が多かった。


 友達同士での会話でも、


「弟がまだ小さいから」

「妹にプラモ壊された」

「兄ちゃんに殴られた」

「姐ちゃんにイジメられる」


 などなど、兄弟の話も当たり前だった。


 僕も4兄弟の2番目なので、そんな話題には事欠かない訳で、そんな話題の渦中に居た訳だ。


 僕の兄はひとつ年上だったので、子供の頃はよく喧嘩をしていた。

 価値観はさほど変わらないのに、子供の頃の1年という差は、体格差に大きな差があり、兄弟喧嘩で勝てる筈も無く、泣きべそをかいて母親に縋るというパターンが多かった気がする。


 が、年の離れた妹が2人居て、10歳前後の年の差もあって、中学生の頃の僕とは喧嘩などになりようも無かったし、むしろ「子育て」みたいな感覚で接していた訳だ。


 妹が歩くと「アンヨが上手」とか、うどんを食べさせる時には「うどんチュルチュルしよか」とか、気がつけば「赤ちゃん語」を話している自分が居た訳で。


 子供用の椅子に座らせる時には、


「はい、おっちんとん」


 等と言っていた訳だが、そもそも「おっちんとん」って何だ?


 先日、アマプラで「ミギとダリ」というアニメを見ていた時に出てきた「おっちんとん」のセリフに、懐かしくて僕はつい笑っていたのだが、一緒に見ていた彼女曰く、


「おっちんとんは、聞いたことが無い」のだそうな。


 これは西日本だけの「赤ちゃん語」なのだろうか。


 そもそも「おっちんとん」って誰が作った言葉なんだ?


 作った時の意味やコンセプトについて知りたいところだが、ネットで調べてみると、どうやらこれは関西弁らしい。


 マジか…


 なら、関東の人は赤ちゃんを椅子に座らせる時には何て言うの?


 他の地方でも、独自の言葉があるのだろうか。


 あ、そう言えば広島出身の人が、自分の子供に、

「ちゃんと、おちゃんこせぇ~」

 とか言ってるのを聞いたことがあるな。


 その時は意味が分からなかったが、もしかして、これが「座っていなさい」という意味だったのではと、今突然繋がった気がする。


 皆さんの地域ではどうだろうか。


 不思議な赤ちゃん語があれば、教えて欲しいと思います。

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