(136)漢字名

 古の時代に中国より伝来し、日本で発展した文字「漢字」。


 一文字ごとに意味を持ち、単語に用いる事で複雑な表現を可能にする、世界でも稀有な存在と言えるであろう、とても高性能な文字だ。


 が、時々この高性能な文字がバグを起こす事もある。


 代表的なものは「納豆」「豆腐」ではなかろうか。


 漢字の意味を見れば、豆を発酵させた納豆こそ「豆腐」と呼ばれるべきものだろう。


 そして、型に流して固める豆腐こそが「納豆」と呼ばれるべきものな訳で。


 この語源については詳しく無いのだが、色々な漢字に触れていると、おかしな漢字表現は沢山ある。


 よく、世界の国名を漢字で表現する事があるが、「日本」といえば、「日出ル国」の名に相応しく、「日ノ本」の意味を込めて「日本」な訳だ。


 ロシアなどは「露西亜」と書くあたり、確かにアジアの西に位置しているし、露出や露呈などの「露」という漢字から察するに、何かが「むき出し」なのだろう。


 一体何が「むき出し」なのかは分からないが、日本人に比べて自己主張が強い国民性だから、もしかしたら感情がむき出しだったりするのだろうか。


 そう考えれば「なるほどな」と納得出来ない事も無い。


 インドは「印度」と書く。


 これは、おでこに印が付いてる人に度々出会うからかも知れないな。


 そう言えばフランスは「仏蘭西」と書くが、何故に「仏」なんだろうか。


 イタリアは「伊太利亜」と書くが、パスタによってアジアに太い利益をもたらしたのだろうか。


 よく分からないが、百歩譲って納得出来なくもない。


 が、アメリカはどうだ?


「亜米利加」と書いてアメリカと読む訳だが、アジアとは遠い場所にあるし、米を主食にする文化も無い。


 まさかとは思うが、「亜種の米で利益を増加させる」とか、そんな意味があるのだろうか?


 しかも、略す時には「米国」などと呼ぶ訳で。


 …何で?


 一体、アメリカのどこに米の要素があると?


 漢字はその一文字で意味を持つ素晴らしい文字の筈だ。


 なのに、アメリカに与えられた漢字は、ちょっと違和感が拭えないんだよな。


 国名の漢字を考えた人は、一体アメリカの何をイメージしたんだろうな。


 謎は深まるばかりだな。

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