(135)焼く?

 先日、日本語の意外な奥深さに気付いてからというもの、何でも無い筈の日本語にも色々な疑問を持ってしまう。


 その中でも、今回とても気になったのが「ヤキモチを焼く」という言葉だ。


 ジェラシーを感じる事を「ヤキモチを焼く」などと表現する訳だが、そもそも「ヤキモチを焼く」って何?


 例えば自分の彼女が他の男と仲良くしているのを見た時などに感じる、あの落ち着かない感じと、どう結びつくんだ?


 そもそも、この「焼く」って言葉がかなり怪しい。


 って言うか、日本人は何でも焼こうとしていないだろうか?


 ヤキモチはもちろん「世話を焼く」って一体どういう状態?


 なかなかうまく行かない事を「手を焼く」なんて言うけど、これも状況を想像すればするほど意味が分からない。


 肉を焼いたり餅を焼いたりは簡単に想像出来るのだが、「ヤキモチ」が仮に「焼いた餅」なのだとすれば、その餅を更に焼いているのが「ヤキモチを焼く」という状況な訳だから、それはもう黒焦げになるしか無いだろう。


 もしかして、ジェラシーと黒焦げが同義なのか?


 だとしたら、焼きすぎて真っ黒になった餅は、「ジェラシー」と呼べばいいのかしら?


 いや、この際ヤキモチは置いておくにしても、「世話を焼く」って何だ?


 世話ってどんな形してるんだ?


 そしてそれをどうやって焼くんだ?


 鉄板焼みたいな感じか?


 それとも、直火焼き?


 世話の他にも「おせっかい」も焼くし、とにかく日本語って色々焼き過ぎじゃないか?


 って言うか、何でも焼けば良いと思っていそうですらある。


 そう言えば昔、婆ちゃんが言ってたっけな。


「焼けば大体何でも食えるでよ」


 …つまりは、そういう事なのかも知れないな。


 そんな事を思う、今日の僕なのです。

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