(128)ハングリー

 中学生の頃、英語の授業で「ハングリー」という単語の意味を「空腹」だと教わった。


 しかし、社会に出ると、


「もっとハングリー精神を持て!」


 みたいな事を言われて、「食事中にこの人は何を言ってるんだ?」などと思っていたものだ。


 ハングリー精神とは、つまりは「空腹精神」という事だろうから、「もっと沢山食べろ」という意味だろうと考えていた訳だ。


 おそらく、一般的には「野心的」みたいな意味で使われているであろうこの「ハングリー」なのだが、最近の僕は「空腹」という意味のままで良かったのではないかと思い始めている。


 というのは、最近「空腹」の時の方が仕事が捗るし体調も良い気がしているからだ。


 猛暑日が続くせいで冷たい水やコーヒーばかり飲んでいる僕は、最近ちょっと胃腸の調子が悪い。


 あまり食欲も無いので食事を控えていると、むしろ一日一食しかしなかった日の方が体調が良かったりする。


 当然、体調が良い方が頭の回転も早くなり、仕事の効率も良くなる訳で。


 なので、仕事をする気力が湧かなかった若かりし僕に、当時の上司は「もっと空腹になれ!」という意味で「もっとハングリーになれ!」と言っていたのではないかと思えてきたのだ。


 本当の語源については良く知らないが、僕の中では「ハングリー」=「空腹」で良い気がしている。


 となると、「ハングリー精神」という言葉は適切では無く、「空腹時のコンディション」というイメージの方が良いのでは無かろうか。


 そんな事を考えていたからかどうか、昨日は朝にアメリカンドッグを1つ食べたきり、夕食も抜きで仕事をしていたのだが、何だかいつもより仕事に集中出来た気がするな。


 おかげで今朝までぶっ通しで仕事出来たもんな。


 その反動かどうか、今日はブランチでナポリタンを作って食べたのだが、やはり炭水化物が多過ぎるのか、ベーコンが重たいのか、どうにも眠くなって仕事出来る気がしないけどね。


 お盆中も仕事の予定が詰まっている僕は、みんなが休んでいるうちに少しでも業績改善に向けて頑張ろうと思うのです。


 なので、これからもハングリーな状態を上手くコントロールしていかなくちゃな!


 おや?


 今日は近所の神社でお祭りか。


 色々な屋台があって美味しそうだな!


 という訳で、ハングリーは明日からにしよう。


 そんな、意思が豆腐の様に壊れやすい今日の僕なのでした。

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