(125)カタカナ英語

 コロナ禍の3年間で失っていたコンサルティング業務に、少しずつ回復の兆しが見えて来た。


 喜ばしい事なのだが、この3年間コンサルの仕事が無くて勉強をサボっていたせいで、英単語がさっぱり出て来ない。


 顧客の大半が外資系企業なので、資料はバイリンガルで作成する必要がある。


 しかし、表現したい文章の英単語が出て来ずに苦労しているのだ。


 ちっとも人と会えない3年間というのは、やはり僕の言語中枢を衰えさせていたんだな。


 困ったものだ。


 今月末にはアメリカとイギリスから担当者がやってきて、彼らを相手にプレゼンテーションする必要があるってのに。


 そう言えば、コンサルを始めた頃にも同じ様な苦労をした気がするな。


 それまで使っていたカタカナ英語が、実はネイティブでは全く違う意味で使われている事を知って驚いた事もよくあった。


 その代表格とも言えるのが「テンション」だろうな。


 よく、「テンションが高い人」や「テンション上がって来た~!」なんて表現をするが、これを英語にする時に「ハイテンション」と表現すると、実は全く別の意味になる。


「ハイテンション」というのは、一般的には「高電圧」と受け取られてしまうのだ。


 建築資材の中にも「ハイテンションボルト」というボルトがあり、日本語訳は「高張力ボルト」なので、「張力」という意味もある。


 どちらにしても「あの人はハイテンションだ」などと言われた日にゃ、「え、高電圧なの? 近づくとヤバイんじゃない?」と思われてしまうという事だ。


 これに類するカタカナ単語は沢山あり、この3年間の間で普通にこういう言葉を使っていた僕は、今になって英語の資料を作るのに四苦八苦しているという訳だな。


 ビニール袋ってのも、英語では「プラスチックバッグ」と言う事が多く、「ビニールバッグ」と言うのは、化学の専門家などにしか通じなかったりするらしい。


 言わば「塩」の事を「塩化ナトリウム」と言われているような感じなのかも知れないな。


 ともあれ、資料作成に割ける時間は1週間程度。


 そこからは英語で話せる様に練習しなくちゃならないので、この3年間で鈍った脳を活性化させる為に頑張らねばなるまいて。


「猛暑でやる気が出ない」なんて言ってられなくなってきちゃったな!


 せっかく仕事が戻って来たんだから、ここは踏ん張り所だな!


 という訳で、ボチボチ頑張って行こうと思っている今日の僕なのでした。

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