(124)虹色

 今日も東京は猛暑日で、屋外を歩くだけで息切れしそうだったな。


 ふと木陰で涼もうと近所の公園に足を運んでみたのだが、広場に小さな噴水があり、炎天下で噴水から吹き出る水でキラキラと輝いていた。


 夏休みらしく子供達が噴水で遊んでおり、児童の1人が、


「すげー!7色の虹が見える!」


 と言っていた。


 児童の声につられるように、僕は微笑ましい思いで虹を見ていたのだが、ふと違和感を感じた。


 虹色に輝くその光が、僕には7色に見えなかったからだ。


 そう言えば、子供の頃から虹と言えば7色だと思い込んでいたが、実際には7色な訳は無い。


 虹色というのは、光の3原色が絶妙なプリズムを見せているものな訳だから、見えている光は3色+グラデーションだ。


 グラデーションの部分は色の細分化が無限な訳だから、色の数は無限だ。


 仮に3色の重なる部分を中間色として認識したとしても、5色までしか認識出来ないのでは無かろうか。


 ならば、「虹は7色」というのは、一体誰が最初に言い出したのだろう。


 そして、誰がそれを広めたのだろうか。


 日本人の意識に根深く植え付けられた「虹は7色」という価値観。


 まさか、これもどこかの既得権益によるプロパガンダじゃないだろうな。


 1日3食という価値観を植え付けたのが、アメリカのトースターメーカーが広めたプロパガンダだというのは有名な話だが、虹が7色である事で誰かが得をしているのかも知れない。


 まあ、僕は虹が7色でも何も損はしていないので、どうでも良い話なんだけどね。


 ともあれ、僕は虹が綺麗だと思えればそれでいいので、これからも綺麗な虹を見て、ささやかな感動を得たいと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る