(105)ゴールデン

 僕がカクヨムに登録してから、ちょうど1年になるこのゴールデンウィーク。


 観光地は観光客で賑わい、高速道路は大渋滞で賑わっている様だ。


 そもそもこの「ゴールデンウィーク」という言葉は、戦後のとある映画会社が「映画館の興行収入が高い週」という意味で「お金が儲かる」事をきっかけに名付けられたと云われている。


 つまりは「お金が儲かる」から「ゴールデン」な訳だが、最近は「お金が儲かる」という意味で「ゴールデン」という言葉を使っている人は少ない様に思う。


 春の大型連休をゴールデンウィークと呼ぶのに対し、秋の大型連休を「シルバーウィーク」と呼んでいるあたり、「お金が儲かる週」という意味からはかけ離れているとしか思えない訳で。


 だって、秋の大型連休に「銀が儲かる」とか「銀行が儲かる」とかの裏付けなんて無いじゃない?


 じゃあ、シルバーウィークってそもそもどういう意味で名付けた訳?


 って考え出すと、単に「春がゴールデンなら、それに次ぐ秋の連休は、オリンピックのメダルに因んで、銀メダルにあたるだろう」程度の思考で名付けたとしか思えないもの。


 じゃあ「ゴールデン」って言葉が「儲かる」って意味から来ているのだとすると、他の「ゴールデン」はとうなんだろうか。


 例えば「ゴールデンタイム」と言えば、夜7時~9時くらいの家族が揃ってテレビを見る時間帯を指す訳だが、これも「視聴率が高く、儲かる時間帯」という事だろう。


 他にも「ゴールデンコンビ」なんてのは「良い仕事が出来るコンビ」とか「相性抜群のコンビ」とかいう意味で使われているが、それはすなわち「稼ぎの良いコンビ」という意味とも捉えられそうだ。


 たまに聞くのが「ゴールデンエイジ」なんて言葉だ。直訳すると「黄金年齢」という事なのだが、やはりこれも「金を稼げる年齢」という事なのだろうか?


 無意識に、何やらポイジティブな意味で使っていた「ゴールデン」という言葉だが、もしかしたらこれらは、本来「金が稼げる〇〇」みたいな意味を持つ言葉なのかも知れない。


 だとすると、そう名付けたのは当然「それらを使って金を稼ぐ連中」という事なのだろう。


 なるほど。


 僕はこれまで「ゴールデン~」なんて呼ばれた事が無い。


 つまり、僕は「お金を稼げない男」だと思われて来たという事なのかも知れないな。


 うん。


 ほんと、そうなのかも知れないな。


 つまりは、もうちょっと頑張らないといけないという事だな。


 うん、頑張ります。

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