(63)好きだと言い続ける事でいいことがある
僕は好きな物は好きだと言う様にしている。
もうオジサンなので、恥も外聞も大して気にする事が無くなったおかげで心にゆとりが出来ているからだろう。
おかげで、少年少女の初恋の様な、ドキドキする心情は枯渇しかけている事に一抹の寂しさを感じる事もある。
まあ、五十路間近の僕が乙女の様にドキドキしだしたとしたら、それはもう心臓疾患を疑った方がいい訳で。
それでも、たまに僕の心をときめかせてくれたり癒してくれたりするものもある。
ここ数年で出会ったものの一つに、マスコットキャラクターがある。
とある企業のマスコットキャラクターなのだが、とてもキュートな2匹の宇宙人だというキャラクターだ。
僕はスマホの待ち受け画面にもしている程の入れ込み様だ。
そして、僕の本業のクライアント企業のキャラクターでもある。
そのクライアント企業の担当者の間では、僕のその「キャラ愛」は有名だそうで、イベントがある時などに時々キャラクターグッズを譲ってもらえるという役得がある。
昨日も打合せをした後に担当者の部長が、
「こんどキャラクターグッズをガチャガチャにして出すので、一度無料で回して頂いていいですよ」
と言ってくれた。
おお、マジですか!
そして、僕はこう返した。
「という事は、有料なら何度でも回していいんですか?」
と。
いかんいかん。
大切なお客様相手に、僕のサイコパス思考をチラ見せしてしまったぞ。
と心配していると、
「いやいや、数回だったら私が出しますよ。あなたのキャラ愛は、ウチの役員からも聞いていますから(笑)」
との事。
おおお・・・5年前に担当者だった人が出世して、今は役員になっている事は知っていたが、僕のこのキャラ愛をちゃんと覚えててくれたのか・・・
毎年秋頃から翌年の春までコンサルを行わせて頂くクライアントなのだが、お付き合いが始まって6年、これまでに僕が言い続けてきたセリフがフラッシュバックする。
「何ですかこのキャラ!? メチャクチャ可愛いじゃないですか! どこに行けば会えるんですか!?」
「いやぁ、このキャラの頭のこの部分! もうね、この角度から見るとたまらんですよね」
「最近このキャラの唇の肉厚感が愛しくてたまらんのですよ」
「ほんと好きなんですよ、このキャラに毎日癒されてますよ!」
「それにしても、このほっぺの曲線美! 絶妙過ぎるでしょ!」
いい年をしたおっさんが、2頭身のキャラをガチの本気で愛でる姿を見せ続けた6年間。
こうして僕は、数々のキャラグッズをお譲り頂いて来た。
ステッカー、手帳、ペットボトルの水、マスクケース・・・
そしてとうとう、今度はガチャガチャだという・・・
素晴らしいな。
「好きだ」と言い続けていると、いつしか周囲が温かく接してくれるこの感じ。
皆さんも、好きなものは「好きだ」と言い続けるのがいいと思いますよ。
「ただ愛すればいいのです」と、どこかの神様も言ってた気がするし。
きっとそれが、「幸せ」というやつなのですよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます