(48)ハリボテ

 何となくニュース番組を見ていると、政治家があんな事を言っただこんな事を言っただと報道している事がよくある。


 こと自民党の小泉進次郎議員が放った「迷セリフ」は有名だが、なかでも


「日本はこのままではいけない。だからこそ、日本はこのままではいけない」


 というセリフは、日本国民の失笑を買った代表的な例だろう。


 これは笑いを取りに行っているのだとしたら効果は抜群だったと褒めるべきなのだが、彼は政治家である以上、中身のあるセリフを語ってもらいたいと願うのは僕だけでは無いだろう。


 しかし、こんなハリボテの様なセリフを吐くのは何も小泉進次郎議員だけではない。


 岸田首相も負けず劣らず「ハリボテの様なセリフ」を放っている。


 今日のニュースでは、「相当大胆な経済政策を行う」と発言した事が報道されていたが、「相当大胆な経済政策」って言われても、結局のところ何をするのかがサッパリ分からない。


 以前にも「前例の無い物価上昇軽減策を取る」などと言っていたが、物価はぐんぐん上昇中だ。


 更に以前には「大胆な金融政策を」と言っていたが、やった事といえば、年金の支給額を下げたり実質的な税金の値上げだったり、経済的に困ってる人がお金を受け取る事が不可能としか思えない様な「絵に描いた餅」だらけだった。


 こういう「ハリボテ政治家」の支持率が、35%もあるのだというから驚きだ。


 参院選の前には60%を超える支持率などと言われていたし、国葬の強行以降に支持率が下がったと言っても、3人に1人以上がいまだに岸田首相を支持している訳だ。


 ハリボテというのは、見た目だけはそれらしく見えるが、中身が無い事を指す比喩でよく使われる。


 が、今の岸田首相は本当に「中身が無い」のか、それとも「ハリボテの奥に裏の実力者が居る」のか、どちらにしても日本国民の生活を憂いた政策を実行していない事だけは確かだ。


 このままじゃ、日本という国自体が中身スッカラカンの「ハリボテ国家」になってしまいそうで不安になるな。


 いや、既にそうなっているのかも知れないな。


「日本の皮を被ったアメリカ」


 恐らくはこれが本当の、今の日本の姿なのだろうな。


 どこかに居ないものだろうか、中身がギッシリ詰まった政治家が。


 僕の様な庶民は、そうしたヒーローが現れてくれるのを祈る事しか出来ないのがもどかしいな。


 せめて僕の書く物語の中だけでも、気骨のある政治家に活躍してもらいたいと思うのです。

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