(47)名言
小説でも何でも、物語の中心人物というのが居る。
それは主人公だったりヒロインだったり、または主人公に適格なアドバイスをする人だったりと色々だ。
そうした中心人物には、「中心人物たり得る要素」というのがあると僕は思っている。
そして、その要素というのは「名言」ではなかろうかと思う訳である。
これまで読んできた小説や漫画等でも、中心人物は「名言」を残している。
それは読者の心に刺さり、読者の人生の上で、座右の銘になったりする事もある程だ。
しかし、いざ自分で名言を生み出そうと思って頭をひねっても、なかなか良い言葉が出て来ないのが実情な訳で・・・
できれば主人公には何か名言を吐かせたいところなのだが、なかなかうまくいかないあたりが僕の文才の無さを象徴しているのだと痛感する。
僕が起業する前に、前職を辞めてしばらくアルバイト生活していた時期があるのだが、バイト先で出会った人が「これは名言だと思う」と言っていたのがこんな言葉だ。
「カレーは飲み物」
え・・・、名言ってこういうのだっけ?
とは思うが、彼はこれを名言だと言って聞かない。
ううむ、確かに彼の心に刺さる言葉だったのだとすれば、これは名言なのだろう。
その昔、僕が阪神大震災の復興活動で現場に居た時に、会社の上司が僕と一緒に被災地を回ってくれた事がある。
その時にその上司は、被災者の一人にこう質問した。
「あなたより困っている人はどこに居ますか?」
僕は目の前で困っている人を何とかしようという気持ちでいっぱいいっぱいになっていたので、このセリフは思いつきもしなかったが、確かに「もっと困っている人」がどこかに居るならば、その人は命の危機に瀕している可能性だってある訳だ。
となると、急いで救わなければならないのは、公園で何とか雨露を防げる環境に辿り着いた眼前の避難者よりも「更に困っている人」である事に気付かされた訳だ。
僕の中での一番の名言は、この時の上司のセリフだった訳だが、僕はまだ、誰にもこんな名言を残せた記憶が無い。
これでは僕が薄っぺらい人間だと思われてしまうのではなかろうか。
何かこう、パンチの効いた名セリフを言ってみたいのだが・・・
「取り合えば足りなくなる物も、分け合えば余る」
というセリフが浮かんだが、これはどこかの寺の掲示板に書かれていたものだしなぁ・・・
うーん。
どこかで思いついたら、ちゃんとメモしておかなくちゃな。
今の僕からは、名セリフは出て来そうにないや。
さ、これからも色々な経験と教訓を得て、成長しなくちゃな!
頑張るぞ~。
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