(39)空耳

 小説を書きながらBGMをかけているのだが、そういう時にかける音楽は歌が無い「インストゥルメンタル」か歌詞が外国語の「洋楽」である事が多い。


 何故かと言えば、日本語の歌詞が聞こえてしまうと、どうしても小説の内容ではなく歌詞を聞いて色々想像してしまうからだ。


 その点、歌が無い音楽ではそんな事は起こらないし、外国語の曲でもそういう事は少ない。


「少ない」と書いたのは、「皆無」では無いからだ。


 それは「知っている英語が続いたから」とかではなく、僕の場合は「空耳」である事が多い。


 どういう事かと言うと、いわゆる「外国語なのに、日本語に聞こえる」というやつだ。


 タモリ倶楽部とかでやってる「空耳アワー」なんかがその代表的な存在だとは思うが、まさにあの境地に入って行く事がある訳だ。


 そんな中でも「Deep purple」というバンドの古い曲で「Child in time」という曲の途中で、どうしても「アーアーアー、マヨネーズ・・・」に聞こえてしまう部分があり、それが聞こえると、不思議とマヨネーズ味の何かが欲しくなってしまう事があるのだ。


 こういうのは不意にやって来るのが困ったものだ。


 それまでは何となく聞き流していた英語の歌詞を、突然日本語として意味を持って頭の中にブッ込まれる訳で、油断していた僕の意識がマヨネーズで染まってしまう。


 そうなるとマヨネーズに占められた僕の頭の中は、マヨネーズに関わる何かで文章を書こうとしてしまう。


 それまでどんなに甘い恋愛模様を描いていたとしてもだ。


 なので今の僕は、BGMから「Deep purple」を除外している訳だ。


 他にも空耳現象が起こる洋楽は沢山あるが、皆さんはこんな経験はあるのだろうか。


 僕だけがおかしいのだろうか。


 そんな訳で、久々に頭の中がマヨネーズに染まった僕は、今からマヨネーズを使った料理でも作ろうと思います。


 皆さんが、マヨネーズを愛してくれる事を祈りつつ・・・

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