(7)ひらがな カタカナ part2

 日本の言語はカタカナから始まったという歴史学者が居る様で、漢字が中国から伝来してきてそれらを取り込む事で多用な表現が出来る様になったんだとか。


 更に平安時代に、特に女性が使う文字として「ひらがな」が使われる様になり、今の日本語の基礎ができたのだという。


 なるほど。


 僕がカタカナで表現する対象は「外来語」や「擬音」などが多いのだが、本当はカタカナが日本語の根本かも知れなかったんだな。


 だけど、ひらがなの方が字体も柔らかい感じがするし、文字の形も何となく可愛らしい。


「ふ」という文字なんて、沢山書いたら何故だか笑いが込み上げてきそうになるし、僕の中だけで開催される「可愛い形をしたひらがなランキング1位」の座に居る。


 不思議なもので、赤ちゃんが母親の乳房から母乳を飲むシーンを表現するにしても、「乳房」と表現すると何となく形式的な感じがするし「オッパイ」と表現すると、何故か攻撃的な感じがする。


 なのに「おっぱい」と書くと、ふっくらとしてやわらかな印象を受けるのだ。


 赤ちゃんがミルクを飲むシーンをイメージするなら、「柔らかくて優しそう」な表現をしたくなるので、やはりここは「おっぱい」が正解なのだろうと感じるわけだ。


 声に出して読めば「オッパイ」も「おっぱい」も同じ音なのに、文字にするとこんなにもイメージが変わる。


 外来語を使う場合も「ケーキが食べたい」と書くと、中高生以上の大人のセリフを想像するが、「けーきが食べたい」と書くと、まるで小学生くらいの子供が話しているイメージになったりする。


 本当に不思議だ。


 僕が書く作品で子供が登場する作品はまだ少ないが、もう少し「ひらがな」の可能性を見出して、少年少女が活躍する作品を書いてみるのも面白いのかもな。


 カタカナとひらがな。


 もしかしたら文字の使い分けだけで登場人物を想像させられる様な表現手法が広げられるのかも知れない。


 さっそくトライしてみようと思う僕なのであった。

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