(4)ひらがな カタカナ
僕が生まれて初めて「ひらがな」に触れたのは、幼稚園児の頃だったろうか。
ひらがなの50音を歌に乗せて、文字に関連した絵が描かれた紙芝居みたいなフリップを見ながら踊ったり歌ったりと色々な手法でひらがなを身に付けた様な気がする。
小学校に通う様になると、ひらがなの他にカタカナの練習をさせられた。
勉強はあまり好きな子供では無かったが、根気よく教えてくれた先生達の努力のおかげで、今の僕は当たり前の様に平仮名やカタカナを読み書きできている訳だ。
しかし僕には、忘れられない衝撃を受けたカタカナがある。
しかも、そのカタカナに生まれて初めて出会ったのは中学生の時だった。
しかもあれは英語の授業中だった。
教師が黒板に英単語の和訳を羅列していた時、黒板に僕の見た事の無いカタカナが現れたのだ。
それは「ヴァイオリン」だ。
僕は混乱した。
ちょっと待て、何だその「ヴ」ってのは!?
母音に濁点が付加されるなんて、国語の授業では一度も習わなかったぞ?
濁点が付くのは「か行、さ行、た行、は行」だけだと教えられて来たんだ。
英語教師ごときが勝手に日本語を作るんじゃないよ!
僕の頭の中は、バイオリンが「ヴァイオリン」という謎の存在に侵食された事で、その日はちっとも勉強が進まなかった。
授業が終わって休み時間に、クラスメイトにこの話をすると、みんな「ヴ」を当然の様に認識していて、僕は相当ショックを受けた。
「ヴァ」がある上に「ヴィ」もあるという。他に「ヴェ」「ヴォ」もあると言うくせに「ヴゥ」は無いとぬかす。
何故だ!?
何故に「ヴゥ」を仲間外れにしたんだ?
その答えは、35年経った今も見つけられていない。
文部科学省さん、どーにかなりませんかね?
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