(3)擬音

 小説を書いていると、よく擬音を使う事がある。


「ゴンッ」とか「バキッ」とかは何か固い物がぶつかったり壊れたりするイメージが湧くし「フワリ」とか「スルリ」とかは、軽いものや柔らかくしなやかな物をイメージする。


「ゴクゴク」「モグモグ」となれば飲食しているシーンをイメージするし、「ピョコンッ」とか「ピロンッ」となると、何だか可愛らしいものをイメージする。


 いちいち細かい表現を長い文章で説明しなくても、擬音ひとつでその情景を表現できるというのは、作品を執筆する中で、ものすごい時短効率を生んでいると思う。


 が、たまに聞いた事の無い擬音を使った文章を見る事がある。


 そんな時は、その擬音だけではイメージが湧かない訳だ。


 なのだが…


 試してみたいと思ってしまうのだ。


 擬音とセリフだけでどこまで表現出来るのかを。


 という訳で、僕の作品のワンシーンを、セリフと擬音だけで表現出来るのかを試してみた。


「ひいっ、ふうっ、ひいっ、ふうっ」

 ペタン、ペタン、ペタン!

「乗りま〜す! 乗りま〜す!」

「駆け込み乗車はご遠慮下さい~」

 バタバタバタバタバタン!

 ムギュ!

「あにょにょ! 挟まってます! 挟まってま〜す!」

 プシュー、ピロン、ピロン、ガコン。

 ヒョイッ、ニギュ。

「ふう、暑い」

 プシュー。

 ブーン、ガタン、ゴトン、ウー、ガタンゴトン、ヒューガタンゴトン…


 どのシーンを再現したものか、もし分かる人が居たら、きっとそれは私の悦楽となるだろう。


 気になった方は、ぜひ対象の作品本編をお読み頂ければと願います。


 さて、新作のサスペンススリラー作品の構想をぼちぼち纏めだしている所なので、いかに擬音を活用するのが良いか、色々考えてみようと思います。


 という訳で、皆様の素敵な読書ライフをお祈り致します。

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