ロボットの星
ロボットの星
ガシャン、ガシャン……
ギギギ……
目が覚めると機械音がうるさかった。
ロボットらしき個体がたくさんいて、脱出ポッドの中の私を覗き込んでいた。
私はドアを開けた。
「イキテマシタネ」
「ヤッパリナ」
「ヨカッタヨカッタ」
ロボットたちが話し出した。
「言葉が通じる?」
私が話しかけるとロボットたちはオォーと歓声をあげた。
「モシカシテ、アナタハニンゲンデスカ」
少し身体が小さいロボットが言った。
「はい。私は人間です。あなたたちは?」
またオォーと歓声をあげる。
「ワタシタチハ、コノホシニスンデイルロボットデス。ワタシタチノセンゾハ、ニンゲンデス」
「先祖?」
「ハイ、ズットズットムカシニ、コノホシニタドリツイタニンゲンガ、ワタシタチヲツクッタ、トイイツタエラレテイマス」
「だから言葉を話せるのですね」
「ハイ」
私は辺りを見渡した。
この星は岩だらけで建物も植物も何もないようだ。
地球が失くなって移住先を探している私は肩を落とした。
「ここでは人間は暮らせませんね」
「ニンゲンハ、ミズヤタベモノガナイトイケマセン。ココニアルモノハ、イワトタクサンノロボットダケデス」
「たくさん……まだ他にもロボットが?」
「ハイ。ツイテキテクダサイ」
少し小さいロボットが私の手を引いた。
目の前の大きな岩に登った。
「わぁっ」
私は息をのんだ。
この星の様子が遠くまでよく見えた。
見えたのは何千、いや、何万体という恐ろしい程の数のロボットだ。
人型のもの、犬型、猫型、ただの丸や四角型のもの、様々な型のロボットがひしめき合っていた。
「これは……」
あまりの数の多さに恐怖を感じた。
「ゴセンゾサマガ、サイショニツクッタロボットニオシエタノハ、コトバト、ロボットノツクリカタデシタ。
ワタシタチハ、ハナスカ、ロボットヲツクルコトシカデキマセン」
「それでこんなに……でも、材料は? ここには岩しかないのでは?」
ロボットたちが急に静かになった。
「コノホシニフジチャクシタ、ウチュウセンヲカイタイシテイマス」
「えっ?」
私は嫌な予感がした。
後ろを見ると反対側からたくさんのロボットたちがこちらへ向かって歩いてきている。
まずいっ。
私は急いで脱出ポッドに戻った。
震える手で必死に電源を入れる。
(よかった、ちゃんと動いた)
ドアを閉め、宇宙に飛び立つ。
恐怖と安堵が交差する。
私は深呼吸して気をとりなおした。
もとはといえば人間のせいなんだけどな……。
(ごめんね)
ロボットたちに申し訳なかったが、私はまた次の星を探して宇宙を彷徨い続けるのだった。
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