第3話:準備
「さて復讐するにはまずどうしようか?」
僕は復讐を始めるためには何が必要か思い悩んでいた。
そうだ。ここは妄想に頼ろう。
妄想に頼るというのは少し抵抗があるが、僕は復讐のためならなんだってする。
そう心に決めたんだ。
ーーー妄想ーーーー
「久しぶりだね!こうすけ君!」
そう妄想の中の彼女が言った。
名前は伊東陽菜。
「久しぶり。陽菜。」
「突然だけど陽菜に聞きたいことがあるんだ。」
「なに〜?私でよければ何でも聞いて?」
そう彼女は言った。
流石妄想の中の彼女だ。僕が答えて欲しい答え方をしてくれる。
「僕は学校で虐められてるんだ。たった1人の友達もその人に取られてしまった。だから、復讐しようって考えてるんだ。」
「そうなんだ。大変だったね。てゆうかその女は何を考えてるの?せっかくこうすけ君が友達になってくれたのに。羨ましいなー。こうすけ君を大切にできない友達はいらないよね。あっ、もう友達じゃないか。
なら殺していいよね。こうすけ君を傷つけた罪は深いな。
削がなきゃ。」
彼女は少し僕のことになると冷静さを欠く。
それも僕が望んだことだ。
それだけ僕を大切にしてくれる。
そう僕は思ってる。
「そこまでしなくて良いよ。ありがとう。陽菜。」
僕が彼女に向かってお礼を言うと彼女は赤面しながら
「そんな、お礼なんていいよ///」
彼女は言った。
「話がそれちゃったね。えーと、復讐するにはどうすればいいのかだったよね。」
「それなら、私は気にしてないけどダイエットとかはどうかな?痩せるときっと今よりも一段とかっこよくなるよ!」
そう彼女は言った。
確かにダイエットはいいと思った。
でも長続きするとは思わなかった。
とりあえずやってみようと僕は決めた。
次の日から僕は復讐のための準備を進めた。
まずはダイエットからだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
山中にこの呼吸音が響く。
僕はそこら辺を走るよりも近くにある山に登った方が効率がいいのではないかと考えた。
どれだけキツくても、僕はあの出来事を思い出すごとに怒りが増してゆく。
その怒りを糧に僕は一生懸命ダイエットに打ち込んだ。
ダイエットを始めてからもうすぐ1ヶ月が経とうとした頃、初めて僕は体重を測ってみた。結果は75キロから64キロまで減量が成功した。
見た目も前よりも自信がついた。だがダイエットが成功しただけではまだ足りない。
次に僕が鍛え始めたのは対人戦闘だった。
もし相手が抵抗してきても怪我をしないようということもあるが、僕はいかに早く相手に怪我を負わせるかを考えながら日々の練習に打ち込んでいた。
半年後、僕は見間違えるほどに変化していた。
この2つ以外にもトーク力や体臭や心理学を学び、
完璧と言っても過言ではないところまで変わることができた。引き締まった身体に常にいい匂いがする体臭。
話すだけで幸せにできるトーク力。今相手がどう考えているのかがわかる心理学。
そして、相手をほぼ一撃で沈めれるほどの戦闘能力を身につけることができた。
復讐をする前に、僕は陽菜に会いに行くことにした。
ーーーー妄想ーーーー
「ただいま。陽菜。」
「えっ?こうすけ君?」
「そうだよ陽菜。」
「変わったね。凄くカッコ良くなった。」
そう見違えた僕をみて言った。
「後はあれだね。」
「あれってなに?」
「嫌っ、次来た時に言うよ。」
「またね!こうすけ君!!」
「大好き!!!」
その言葉を聞いて僕は妄想から出てきた。
さあ頑張ろう。
もう、昔の僕じゃない。
変わったんだ。
何も怖くない。
あいつに復讐するんだ!!
そう意気込んだ僕だった。
ベットから飛び降りる。
廊下を渡ってリビングに向かう。
そこには居ないはずの陽菜の姿があった。
「こんにちは。こうすけ君。」
彼女が微笑んだ。
とても美しかった。
それはもうこの世のものとは思えないほどに。
「えっ、えええええ!!!!」
驚いた声が家中に響いた。
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