第73話 あの儀式とウケ狙い。
新入生へ部活動説明会でバスケ部長の
「え、週末の土日は午前か午後の半日、他校と練習試合の日は朝から夕方まで、平日は朝練と授業後の下校時間までだけど、それがナニ?」
部長の説明を
テスト期間と社会見学や体育祭などの学校行事以外に休日が無い中学の運動系部活動に不安を感じ、正式入部したのは小学校時代のミニバスケ経験者も含めて十五人まで減った。
そんな四月の下旬、橋本と僕はいつもの様に雑談から、
ゴールデンウィークが明けた灰原中学の男子バスケ部での伝統行事、新入生を対象とした『
「
「そうだよな
その流れで
これに反発したのは女子マネの
「先輩達から続く伝統行事よ、思春期男子の成長に必要な皮むきと清潔にする行為を恥かしいとか有りえない」
自分にも他人にも厳しい
「そんなに怒らないでよ、俺一人の判断じゃなくて、槇原やメンバーも同意してくれたんだ」
橋本の説明と言うか、苦しい言い訳に、
「じゃぁ、今年中止したら次期キャプテンの白川くんが来年はどうするの?きっと困ると思うよ、
吉田さんの気迫に圧された橋本は、
「じゃあ、儀式を止めるのを止めるよ」
「最初からそれで良いのよ、橋本が恥かしいなら、予定を前倒して儀式をやりなさい」
彼女の熱弁に決心を
「
前年までは五月の連休明けに行われた伝統の儀式を一日でも早く終わらせたい
◇
◇
それから約一週間が経ち、四月最終の週末金曜日、いつもより練習を早くて終えて、顧問の先生が居なくなり、体育館の床掃除を済ました男子バスケ部員へ、
「一年だけ残って解散、一同コートに礼!」
伝統の儀式を始める橋本の号令を聞いて、三年と二年の男子は帰り支度して体育館から去る。
「三年の女子マネ以外も帰りなさい」
吉田さんも後輩の女子マネージャー達を帰るように指示をする。
その流れに
「じゃあ、僕も帰るよ」
「ちょっと待てよ
「あ、そうか、そうだったな、悪い悪い忘れていたよ」
本当は憶えていたが、心細そうな
部長の橋本に残るように言われた一年の十五人は、男子用の更衣室に集められて、
「全員揃ったな、これから神聖な儀式を執り行う、これは君達の将来役に立つから、セクハラやパワハラじゃないと思ってほしい、では本題に入る」
『ハーフパンツとトランクスも脱いで』と橋本から指示されて半裸を
「俺も脱ぐから君達も脱がないと儀式は始まらない、ほら、これでどうだ?」
十五人の前に橋本は下半身を
「日本人男性の四人に一人は『
真面目な顔で一年生に説明する
「あのう、そう言う部長は彼女が居ますか?」
一年生の質問へ
「私が橋本部長と交際している
そう言って
「僕も脱ぎます、橋本部長、剥き方を教えてください」
いつもの年ならここで儀式は終了だが、今年はその中に皮付きながらビックサイズを持つ一年生が居た。
「げ、あれはエグイ、
「お、男の価値は大きさじゃない、よな
「そうだ、男の価値は優しさ、次に固さと持続時間に続く」
僕から冗談半分のボケに耳を傾ける一年生の一人が<下半身を出したままの姿に笑える>
「槇原先輩は彼女さんが居ますか?」
正直な質問に
新入生から笑いを取る為に有る事無い事をネタにする
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