第51話 朝食の告白から撃沈。

#今回のエピソードは短いですか、衝撃的な結末ですので心して下さい。

なんて大げさじゃないです。#


一月三日、僕は奈央ねえさんの部屋で朝を迎えた。


朝食はバタートーストとハムエッグにレタスとトマトのサラダ、ブラックコーヒーを飲む奈央ねえさんへ、

「成長を妨げるカフェインを取らないので、麦茶かお水を下さい」

中学卒業までに身長190cm以上を目指す僕は、睡眠前に200mlの牛乳とそれ以外はノンカフェイン飲料を心掛けている。


「裕人君はストイックな生活ね、富士山のミネラルウォーターで良いかな?」

別に水道水でも構わないが、既に用意されているなら文句は無い。


僕と奈央ねえさんはお互いの顔を見て食事する、前より感じていたが奈央ねえさんは僕を弟の様に思うのだろう。

「ねえ、裕人君は初詣で何を願ったの?」

「はい、アメリカのプロバスケット選手に成りたいと神様に頼みました、奈央ねえさんは何を?」


訊かれたから素直に答えた僕から訊きかえすと、

「私の望みは言わない。願い事を人に言うと叶わないらしいよ」

え、嘘でしょう?奈央さん意地悪じゃん。


「裕人君、悲しそうな顔をしないで軽い冗談よ」

やっぱり奈央ねえさんは姉が歳の離れた弟をからかう様に僕をいじるのか、それでも奈央さんには癒されて居心地が良い僕は勇気を振り絞って、


「エッチしたからじゃなくて、奈央ねえさんと一緒だと落ち着くって言うか、心が休まるのは僕の勘違いで、これは『結婚願望』ですか?」


奈央さんに対して『好き』とか『将来は結婚したい』と願望は無かったが、一線を越えた男は身体で恋愛して、女は心で恋愛すると何かで聞いた記憶が蘇った。


「う~ン、それってプロポーズかな?それなら凄く嬉しいけど、私にも夢が有るから裕人君とは結婚出来ない、ゴメンね、でも受験まで勉強を教えてあげるから安心して」

求婚プロポーズの積りは無いが、奈央さんの瞬殺で『ゴメンね』に撃沈した。


「でも、裕人君がNBAプロバスケのスター選手になって、ヘリコプターで私の職場に『奈央さん、僕と結婚してください』って迎えに来たら全て投げ出して答えるかな?」

奈央ねえさんの妄想を聞いて何も言えない僕へ、

「実際の所、裕人君がプロバスケット選手に成れる可能性ってどうなの?」

現実的な可能性を考えると、県大会にすら出場出来ない僕のバスケ部。


「全国にプロを目指す中学生バスケ部員が一万人居るなら、僕がプロバスケ選手に成れる可能性は0,01%以下だと思う」

「現状は殆どゼロね」


「そうだけど『諦めたらそこで試合終了です』の名言を信じています」

「あ、それバスケ漫画の監督が言った名言ね」


「知っているの?」

「うん、高校時代の元彼がバスケ部員で、その漫画を読んでいたから知っている」

可愛い奈央ねえさんなら高校時代に彼氏の一人や二人居ても不思議じゃないけど、フラれた直後の僕は心穏やかじゃない。


「そうですか、奈央ねえさんの元彼ですね」

「裕人君、ゴメン、そう言う積りで言ったんじゃないのよ、あのね本当は言いたくなかったけど、私がその後の元彼と別れた理由だけど聞いても引かないでよ」


奈央さんに重大な欠陥が有るなんて、知り合ってから数ヶ月の僕は気付かなかった。

「その理由を教えてください、フラれた僕には聞く権利が有ると思う」


「実はね、私は嫉妬より束縛を超えて、彼の全てをたいのよ、食事も寝るのもお風呂もトイレも一緒にしたいし、彼の排泄物で健康状態を確認したいから、裕人君は毎回私に小水も含めて排泄物を見せてくるかな?」

いくら現役の看護師でも毎日僕のオシッコやウ〇チを見たい完全看護と言うのか、他人に排泄物を見せるのはチ〇コを見せるより恥かしい。


「固さと色以外にも、重くてトイレに沈むウ〇チと、軽くて水に浮くウ〇チの違いにも意味が有るのよ」

あぁ、そうですか、十四歳の僕には理解出来ないそれが『奈央さんの愛情表現』と思うけど、奈央さんのパートナーに成るには今の僕にハードルが高すぎる。


「裕人君、これからも受験対策と性教育は任せてね、でも毎回朝まで10回以上は無理よ」

以前に奈央ねえさんへ自慰行為で最高九回抜いたと自己申告したが、自然な生合体でそれを超える回数を記録した。


貴重な体験から告白撃沈した僕は、新年一月三日のお昼に帰宅したが、後日大きなトラブルに巻き込まれるとは夢にも思わなかった。

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