第40話 天野サヤカは僕の想定外。
僕が半分を払う積りだった、バースデープレゼントのバッシュと
その代わりに
『二十歳を超えたら誕生日は産んでくれた母に感謝する日なの、裕人君には教えない』と拒否された。
それはこれ以上に年齢を重ねたくないのか、女性の心理は良く分からない。
月末の土曜にプレゼントされたバッシュと中敷を直ぐにでも試したいが、幼い頃から母の
次の大安は11月30日の水曜日、バスケの朝練に降ろすと決めた。
小さく感じた以前のより0,5cm大きい28,5cmの新品のバッシュ、体育館で初めて足を入れた。
僕に分不相応と購入しなかった
使い始めのバッシュは少し違和感を感じるが、踵から土踏まずまでサポートされた
足元の安定感とジャンプ後の着地に不安を無くしてくれた。
デザインは前のバッシュと同じだがその白の鮮やかさが違い、チームメイトから、
「お、
迷信かマジナイか、自分で買ったなら冗談で踏まれても平気だが、これは
「嘘でも僕のバッシュを踏んだら、全力でブン殴るぞ」
「冗談だって、
◇
午前の授業が終わリ、給食後の掃除と昼休み、席替えで離れた
「裕人君は女子アナと看護師さんがタイプなんだって?」
それは
「誰とは特に無いけど、女子アナは知的な清楚美人が多いから魅力的と思う」
話をすり替えたい僕は当たり障りの無い言葉を
「それじゃぁ、私は女子アナを目指すわね」
「え、僕が言う女子アナって、フリーじゃないテレビ局の社員だよ」
「そうよ、アイドルを卒業してテレビ局に就職した女性も居るでしょ?」
「それで
周りから見たらこれは虐めだよな、被害者の気持ちを理解できる僕へ、
「え、槇原君は看護師もタイプなの?私はナースを目指そうかな、そうだ私のお姉ちゃんは看護師だから、勉強を教えてもらうかな?」
「そうだね、
僕と
この現状から話題を変えたい僕は、
「そうだよ、『
槇女が出来た頃から僕が感じていた違和感で、
「裕人君、分かってないわね、私のファンクラブならモデル事務所が立ち上げるわよ、槇女の存在意義はプロのバスケット選手を目指す裕人君が支援者へファンサービスを意識させる為よ、実力と共に集客力が有って契約されるプロアスリートでしょ」
「そ、そうだね、じゃぁ僕は何を心がけたら善いかな?」
「そうね、声を掛けられた必ず返事して、未だアマチュアだからサインやツーショット写真は駄目だよ」
「それでも
これは僕の純粋な疑問で他意は無い。
「そこには入会テストが有るの、背が高くて地味顔の裕人君を怖いと思わないのが入会条件よ」
やっぱり虐めだ・・・
「その条件で入会希望者の合格率は何パー?」
「そう、生理的にホラーハウスが苦手な女子って居るでしょ、入会希望者から合格出来るのは20%ね」
ファンサービスが大事と言う
「さすが人気モデルの天野さんだね、とても勉強に成るよ」
多少の嫌味を込めて
「そうよ、CMの風邪薬が好評で売上拡大から契約延長と、次は受験生の兄を応援する妹役でエナジードリンクが決定したわ」
涙顔で『お父さん、早く元気になってね』で世の男性中年層が
「へぇ~東京に住んでいなくてもオファーが来るんだ」
「そうよ、その度にモデル事務所のスタッフが来てミーティングするけど、あ!思い出した、うどん屋さんで一緒に居た知的な女性は誰なの?あの人が裕人君のお気に入りの人?」
「遠縁の姉みたいなイトコかハトコだよ」
「へえ~、裕人君、とても胡散臭い説明ね、プロ選手を目指すなら、今からでもファンサービスを忘れないでね」
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