第24話 夜の公園。
僕が学生服を取りに来たかと、伯母さんを訪ねた
僕を清水さんの彼氏と信じている伯母さんは、
「槙原君、帰りはアキナちゃんを家まで送ってあげて」
高身長のコンプレックスで、気が小さい
「そうね、伯母さんの言うとおり、女子一人で帰るのは不安だから
意外な返事に少し驚くが、もし一人で帰る
「はい、僕が責任を持ってアキナさんを無事にお届けします」
中二の男子が取れる責任なんて
◇
僕一人なら駆け足で帰るが、ここは女性の歩幅に合わせたペースで歩く。
九月下旬の午後六時、日暮れてからは昼の暖かさが嘘のように冷える。
「マッキー、何か私に言う事は無いの?」
「そうだ、学生服を探してくれて有難う、でも僕が
何か言う事は無いのと
「それはアレよ、マッキーが彼氏の設定なら伯母さんに頼みやすいし、マッキーも遠慮なく受け取れたでしょ」
確かにそうだと納得して、逆にそれ以外は何が有るのか想像できない。
「そうだね、
「別に良いけど、私から
清水さんが僕に訊きたいとは何の事だろう、言えない事だと答えに困るなぁ・・・
「解る範囲でお願いします」
「事実確認の意味で訊くけど、土曜日に
あぁあれの事か、
「うん、中島公園に行ったけど、それが何かな?」
「イチャイチャするカップルが多くて有名なエロ公園で
女子は女友達にそんな事も話すのか、ユミ本人の報告ならアキは疑わないだろう。
「うん、僕と
「マッキーは否定しないんだ、ユミはマッキーの膝に座ってキスされて、胸を揉まれたのも事実なの?」
心臓がドキドキすると言われ、僕の手を胸に当てたのは
「そうだね、
「マッキーからユミにキスして胸を揉んだって、本当なんだ、、、ズルイよ」
え、ズルイって意味不明で
「私だってキスしたかったけど、
ここでサヤカの存在を言われると、サヤカの事を頼んだ僕は従うしかない。
「じゃあ、
「うん、中島公園のベンチでね」
平等に場所まで指定してのキス再現か、土曜より平日の今日ならイチャイチャするカップルも少ないと気楽に考えた。
「そうだね、今から中島公園に行こう」
「マッキーの膝に座って好い?」
どうにでも成れ、的な気分で『好きにしてよ』と口走ってしまった。
◇
夜の闇に包まれた中島公園、所々の白色LED照明灯がその足元だけを明るく照らす。
照明から離れた薄暗いベンチはカップルに人気で既に満席、照明に照らされたベンチは全て空席で、必然的に僕と
「私、こういう事は初めてだからマッキーからしてよ」
「よく判らなかったから、もう一回して」
僕は
「アアン、刺激が強くて腰が抜けそう、次は私の胸を揉んでよ」
あの時は
どう成っても知らんぞ、
キスと同時に
女性のオッパイは大きくても小さくても柔らかい、僕的には茶碗サイズがベストと思う。
これで
「ねえ、茂みの向こうにカップルが見えるけど、あ、女性が下半身半裸で男性が後から腰を振っているよ」
眼鏡が必要ない僕でも半裸のカップルが見えないけど、
「ねえマッキー、もっとカップルのエッチを見ましょう」
見ましょうって、イチャイチャ行為はテレビや映画じゃない、これは覗きだよ。
「公園の奥まで行くと暗くて危ないよ」
「マッキーが命がけで私を守ってくれるでしょう?」
性的好奇心を抑えられない
「もしもの時は僕が時間を稼ぐから、
「え、
僕は勧善懲悪のヒーローじゃない、殴られれば痛いし、人を殴れば自分の手も痛いからバスケが出来なく成るのはゴメンだ。
「逃げるが勝ちって、昔の人は善い事を言ったと思う」
「分かったわ、マッキーを見殺しにして全力で逃げるね」
それはそれで面白くないが、最低限の被害に
口だけでも僕に守られると安心する
公園の何処からか、
「パトが来た!」
男性の叫ぶ声が聞こえると、何処に居たのかと思う数組のカップルが身なりを整えながら一斉に逃げ出した。
手にライトを持った二人組みの制服警官を目視した僕は
「急いで、エッチな公園で補導されたら『不純異性行為』で謹慎処分だよ」
「見ているだけで不純異性行為なの?」
「覗きで補導だよ、公園の出口まで足を止めないで」
二人三脚じゃないが手を繋いで走るのは一人で走るより遅い、息を切らして公園の外周歩道に出た安心から、僕と同時に
「マッキー、これって吊橋効果よね」
吊橋って何だ、意味不明な僕へ
「男女が同じ危険に遭遇するとドキドキしてお互いが好意を持つ意味よ」
ドキドキで僕が
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