第22話 古着屋巡りから初体験。

***エッチなシーンが有ります、御注意してください。



槇原マッキー、前みたいに中島公園でおはなししたい」

小柄な篠田ユミさんに誘われた僕は、放課後の校門で待ち合わせた。


「大きいサイズの学生服が欲しい僕は、古着屋かリユースショップに行きたい」

「私、何軒か古着屋を知っているよ、マッキーを案内するわ」


古着屋に普通サイズの学生服が有っても、僕の欲しい195cm学生服が有るのだろうか、有ったとしても予算内で収まらないと困る。


古着屋を回るなら自転車の方が便利だよと、僕と篠田ユミさんは家に帰り、駅前の複合ファッションビル『パリコ』前を約束した。


お洒落に気を使わない僕は制服から、ブルージーンズと白トレーナーと、秋の涼しさ用にライトダウンを、足元は低価格『ワークワン』の厚底ランニングシューズを履いて、待ち合わせの場所へ自転車で向った。


僕より五分遅れで到着した篠田ユミさんは、辛子色のコットンパンツにフード付きの白パーカー、オレンジ色のジャケットを羽織り、少し化粧しているように見えるが、詳しくは分からない。


「マッキー、お待たせ、最初はユーズドショップへ行きましょう」

篠田ユミさんの案内で訪れた古着屋は、ビンテージジーンズやスカジャン、レトロなアロハがそろう流行の古着屋で、目的の学生服を探せない僕が迷う。


「済みません、学生服は有りませんか?」

探すより店員に訊けのユミさんはスタッフに尋ねた。

「学生服なら長者町の中古店かな、ウエディングドレスからステージ衣装も揃っているし、そうだよフリマサイトで学生服の出品が禁止されているよ」


それは女生徒の制服を求める変態マニア行為の防止らしいと、スタッフの情報を聞いて、教えられた長者町の中古店を訪ねた。


今回は僕から195cmの学生服を探すより先にベテランの女性店員に訊いた。

「学生服ですか、コスプレ用に求めるお客さんは居ますが、195cmのサイズは無いですね、今は高校の制服も学ランじゃないブレザーが多いですね、制服専門のリサイクル店はにしきに近いセクシーショップなら、有るのかな?」


ステージ衣装からパーティードレスの品揃えがメインの店を出て、教えられた制服専門店を訪ね、ショーウインドウ前でコスプレ用のナース服や、航空会社のCA衣装を見て入店をやめた。


中古の学ランを諦めた僕へ、

「家に不要の学生服を持っている人をクチコミで探してみようよ」

人付き合いが得意でない僕にその発想は無かったが、今はそこを頼る事にした。


「マッキー、このあとに予定は無いよね?」

篠田ユミさんは携帯の画面から、午後7時を確認して訊く。

「付き合ってくれて有難う、もう暗いから中島公園じゃなくて家まで送るよ」


「それなら中島公園じゃなくて、私の家でお話しない?お腹も空いたでしょ」

カップルが多いラブラブの公園より、家の食事に誘われても突然の訪問は両親や家族に申し訳ない。

「今日は遠慮するよ」

「え~なんで、両親は仕事で不在、お手伝いさんは午後7時で帰るから、私は一人寂しい夕食なのよ、マッキーも一緒に食べてよ」


普通に考えれば、女子一人の家にお邪魔するのは避けるべきだが、古着屋巡りに付き合ってくれた感謝と、僕に何か話したいと言う篠田ユミさんの求めに応じた。


お手伝いさんが帰る前に用意したキムチ鍋で食卓を囲む僕とユミさん。

どう見ても一人用でない鍋の大きさを気にしながら、食欲に任せて箸を進めた。


「違っていたら謝るけど、今日は僕が来る前提でこの大きさのキムチ鍋なの?」

以前に篠田ユミさんとは焼肉バイキングで食事して、大食漢の僕に合わせて用意した夕食を確認したい。


「うん、予定してマッキーを誘ったの、もし来てくれなかったらと不安だったわ」

「そこまで用意した話って?」

小寒い秋の夜にキムチ鍋を囲む仄々ほのぼのとした雰囲気に流された訳じゃないが、

「うん、日曜の夜をマッキーが説明して」

僕が松下エミさんとエッチして、ビジネスホテルから出た所を篠田ユミさん目撃された件の詳細か。


「あれは怪我けがした僕を、偶然ホテル関係者の女性が止血処置してくれただけ」

「そうね、私は信じるけど、天野サヤカさんが聞いたらどう思うかな?」


嫉妬深いサヤカの耳に届けば、どんな言い訳も受け入れてくれないだろう、それ以上にサヤカはノイローゼに成るかもしれない。

篠田ユミさんはそれを知って言うのか、


「僕を脅迫するの?」

「私がマッキーを脅すなんて無いよ、だけど天野サヤカさんをうらやましいし、もしも日曜の夜にマッキーがあの女性とエッチしていたら嫌だなって思う」


篠田ユミさんは疑い深い性格なのか、それとも女性の勘が鋭いのか、さらに思春期ゆえの性に興味なのか、


「もしかしてユミさんはエッチ願望が有るの?」

単刀直入、地雷を踏む覚悟で僕は質問した。


「え、それを訊くの、そうよ、学校では清純な乙女を演じているけど、一人だとエッチな妄想が止まらない、土曜にマッキーとデートしてから自分の欲望が抑えられない、こんな事を言うと軽蔑されるかもしれないけど、マッキーに抱かれる妄想で毎晩一人エッチしている」

地雷を踏んでも爆発しないが、その足を上げた途端に本心を激白された。


「あぁ驚いたよ、女子からの告白は初めてで嬉しいけど、恋人には成れない」

天野サヤカさんから、槇原マッキーはバスケが一番って聞いて分かっている、でも私の初めてはマッキーが好い」


ここで松下エミさんの『こじらせないにおわせない都合の好い女、セフレ』を思い出して、

「これは可能性の一つだけど、『嫉妬しない束縛しない恋や愛を求めない、身体だけの関係でセフレ』で善いなら」


「やっぱり、ホテルの女性はそうなんだ、好いわよ学校でイチャイチャしない普通の友達、シタい時だけ関係するセフレね、マッキーの携帯ラインは?」


「ゴメン、携帯を持てないから」


「携帯が無いって、どうやって連絡を取るの?」

「特別じゃない合図を決めて、篠田ユミさんが好きな食べ物は?」


「私はチーズピザが好きだから『チーズピザが食べたい』がエッチしたいサイン?」

「場所は何処で?」


「私は週三で学習塾、平日23時まで両親は帰らない、今から私の部屋で」

「あ、必ずゴムを付けるけど、今日は用意してないからまた今度」


「いつ、槇原マッキーが来ても好い様に薄々を準備しているから安心して」

これ以上に僕があらがえる理由は無く、ユミさんの部屋で秘め事を始めた。


以前よりにバージンと言っていたユミさんは、躊躇ためらいも無く全てを脱ぎ、僕へ白い肌を見せる。

遅れて脱ぐ僕の方が恥かしい、急いでユミさんへ僕も全裸をさらした。


「マッキー、初めてじゃないから、全て任せて好いよね」

エッチは初めてじゃないが、女性の全裸を拝見するのは初めてで、AVで見たシーンを回想して篠田ユミさんと二度目のキスから全身の匂いを嗅いだ。


小さく震えるユミさんから甘い香りが伝わり、僕のボルテージも上がり安全ゴムを装着から二人はベッドで一つに交わった。


こうなったら一人ひとりるも、二人ふたりるも同じ、セフレのエッチにはどれが相応ふさわしいのか、


初めての女子は痛いと気遣う僕は自分の欲望を抑えて、出来るだけ優しく篠田ユミさんを抱きしめた。

「痛くない?」

「うん、大丈夫、思ったより平気みたい、もっと強く抱きしめて、アア~ン」


ユミさんを気遣いながらやがて僕は逝き、初めての篠田ユミさんを破瓜はかの痛みから解放した。

「マッキー、有難う、これで私も大人の女性に成れたかなぁ?」

「それは男の僕では分からない」


「今は気を使って『そうだね』って言ってよ、もう鈍感ね」

「ゴメン、逃げる積りは無いけど、遅く成るから帰るよ」


「うん、戸締りするから玄関まで見送るわ、合図は『チーズピザ食べたい』ね」


二日連続で同学年女子とエッチした僕は、ダークサイドに落ちる不安に襲われる。






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