第19話 あの儀式を思い出して。

日曜の松下エミさんで初体験した僕は、その帰路で中学一年の儀式を思い出していた。

五月の連休、午後からバスケ部の練習後、身長185cm、ゴリラ体型の三年生、熊田バスケ部長こと熊先輩が、

「一年生、集合!」

それを聞いた二年の先輩はニヤニヤと笑い、『頑張れ』と思わせ振りで帰っていく。


僕達、15人の1年生は何が始まるのか、期待と不安で熊先輩の指令を待っていた。

「順番に更衣室のシャワーを浴びてバスケ部の部室に入れ」

いつもは上級生が優先使用する部室へ集められた僕達一年生へ、

「揃ったか、全員パンツを下ろせ、おい、バスケパンツだけじゃない全部だ」

「え、下着も?」「みんなですか?」「恥かしいです」

一年生のそれぞれが同じ様に言うが、

「これからバスケ部伝統の儀式を始める、さっさと脱げ!」

命令する熊先輩は自分もパンツを脱いで、フサフサの茂みと脱皮した大人のフランクフルトを見せた。

驚いた僕達は躊躇ためらいながら下着を脱ぎ、熊先輩の前にミニウインナーを並べた。

そこには当時の三年女子マネも居て、僕達のアレを見てニヤニヤと笑う。


「一年生、未だけてないとか、毛が無くても恥かしくないぞ、善いか、風呂で皮をいて中を洗え、最初は神経むき出しで痛いが慣れてくると気持ち良くなるし、チ〇カスを溜めていると女子にモテないぞ」


熊先輩の言う意味が分からない僕達へ、女子マネの愛子先輩の手を引き寄せハグしてキスを見せる。

「早く皮を剥いて綺麗にしていると、いつか彼女とエッチな事も出来るぞ」

熊先輩のフランクフルトは戦闘状態で上を向いて反る。

「愛子、一年生の前で俺を抜いてくれ」

「バカ、調子に乗らないで、自分でシコれ」

怒った女子マネは部室を出ていき、それから僕達は『イタタ』と悲鳴を上げて、熊先輩の前でミニウインナーの皮をいて見せた。


「柔らかい時は皮が剥けても、固くなって剥けないのはカントン包茎かもしれない、皮膚・泌尿器科の近藤先生に診てもらえ、そうだな始めてのエッチは経験ある女性を薦める」


学校の性教育より先輩の実体験に聞き耳を立てた一年生へ、熊先輩は講義を続けそれを聞く僕達の剥いたミニウインナーは少しだけ変化した。

「先輩、どんな女性が理想ですか?」

「そりゃ、白衣の天使、可愛いナースでお願いしたいな、俺に質問は?」

何を訊いていのか分からない一年生の中から、橋本ハッシーが手を上げて、


「熊先輩、初めてのエッチはどんな感じでしたか?」

童貞の単純な疑問で複雑だと思う感想を質問した。


「あの中はお風呂みたいに温かいし、場所は思ったより後ろで、大事なゴムの付け方も難しいから、初めては経験豊富な年上女性が良いと思う、愛子マネはバージンだったから『そこじゃない』とか『痛い痛い』『やっぱり嫌だ』とうるさかった」


伝統の皮むき儀式で学んだ『初めてのエッチはバージンより経験者が良い』を、松下エミさんにリードされた初経験で思いだした。


僕がバージンのサヤカと関係するのは、約束した18歳と決めていた。



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