第12話 練習試合。
市大会Aブロック決勝戦敗退で県大会出場を逃した僕達、
土曜日の午前九時、灰原中体育館に市内の吉田中、松岡中、三石中が来校した。
そこに灰中を加えた四校でローカルルールの試合を始める。
正式な試合では8分1Qの4Qだが、8分2Qのランニングタイム<時計を止めない>でゲームを進行し、ゲーム中のメンバーチェンジは、ベンチ入り以外の部員も自由に入れ替わる。
ゼッケン入りの白と濃色ビブスを着用して、体育館の一面を使用して二校がゲームし、残りの二校が交代でオフィシャルを担当する。
キャプテンの
スターターのSG
「Aブロック決勝敗退の俺たちと対戦して、自分たちの実力を計りに来たよな」
県大会出場校とは練習試合が組めないなら、出来るだけ上位のチームと対戦したいと思う。
「あのさ、実力をはかるの『はかる』って、英語だと巻尺のメジャーかな?」
橋本が口火を切って問うと、内田から、
「はかりならルーラーじゃないか?、なあ
訊かれた僕も判断出来なくて、他の言葉を思いつき、
「英語でスケールも、はかりだろ、重さと長さと計画を立てるのも『はかり』って言うから分かんねぇ~」
三人の学力知識は団栗の背比べと思う所へ、女子マネの吉田さんが登場して、
「そんな話題で良くも盛り上がれるの、有名人はスケールが大きいとか言うから、この場合はそれで良いと思うよ、さあ、お客さんに見っとも無いプレイを見せないでね」
公式戦と違って、ホームの僕達に緊張感なく、試合開始のブザーが鳴る。
ジャンプボールから主導権を奪い、15点差リードで、
「4番と7番交代」
コーチの指示でサブメンバーと交代、その後の数分で下級生と交代から1Q終了。
続く2Qのスターターから外れた僕と
「
「練習試合に来て逆ナンか凄いな、それでどの子?」
橋本を信じられない訳じゃないが、冗談かもと思い、その女子を訊いた。
ゲームに参加してないオフィシャルの吉田中から、一人の可愛い女子が笑顔で此方に手を振る。
「大人しそうな女生徒だな、ハッシーはメアド交換したの?」
「うん、今は携帯持ってないから、後で交換するって約束した、あの子と付き合っちゃおうかなぁ、マッキーに友達を紹介して貰うって、天野さんが居るから無理だな」
「僕の事は良いから精々楽しめよ、この色男」
次の出番が来ない油断に今日の相手中学は『眼中に無い』と油断して、完全にリラックスモードの僕は背中に熱い視線を感じた、その先に灰原中の女子マネ吉田さんが僕を睨んで『ムカつく』声を出さない口唇術で強い念を送ってくる。
あ!しまった。
先日の吉田さんから
「
「え、
その頃に2Q終了で第一試合を勝利して終わり、第二試合の吉田中と対戦に向った。
「今度は相手にジャンプボールを取らせて10点差くらいのハンデから始める」
コーチの指示で主導権を譲り試合経過を伺い10点差の四分、コーチのGOサインから今日の課題で予定していたローポストで押し込みターンからシュート、スピンムーブからマッチアップの手が届かない僕の得意なフックシュートで得点を重ねた。
勿論モテ期で絶好調の
「そちらの4番と7番を外してください」
チーム力の差を認めて、僕とハッシーの交代をリクエストされた。
二人が交代しても灰原中の得点能力が落ちることなく試合に勝利した。
「マッキー、さっきの玉砕って、吉田さんに告白って事?」
「あぁ、理由は言えないが、兎に角一度告白しろ、吉田中の女子マネは後で考えれば善いから」
不思議そうな顔をする
その
その理由は灰原中女子マネか、吉田中女子マネなのか、僕は心の中で『ハッシー忘れてゴメン』そして『中二女子の嫉妬』は怖いと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます