第7話 苛立つサヤカのお仕置き。
十五歳の中学卒業でキス解禁、十八歳の進路決定までエッチ禁止と将来を約束した僕の条件は、校内で二人が交際していると言わない、人前でイチャイチャの禁止にサヤカは不服で、
「どうして交際宣言して駄目なの?」
思ったままの文句で僕に訊く。
「クラスの誰も『彼女彼氏』が欲しいから、交際する友人を羨ましくて、変な噂や誹謗中傷や虐めの原因にも成る、無駄に敵を作らない為に我慢して」
朝夕一緒の登下校で二人が交際していると思われても、周りの生徒を気遣い『交際してない』僕とサヤカは級友から見守られて、平穏な毎日を過ごしていた。
ある朝の事、サヤカが不在の教室に訪れた名前を知らない小柄な女子生徒から、
「バスケ部の槇原君って、背が高くて怖い人と思っていたけど違うね」
多少の人見知りは有るが、
「そうだね、怖く見えてゴメンね、それで?」
「今度の日曜は西部体育館でバスケ部の新人戦でしょ、応援に行って良いかな?」
会場の西部体育館は観客席が少なくて、送迎してくれる父母以外に生徒の見学を許可されているか、直ぐに判断の出来ない僕は、
「僕じゃ分からないから、二年一組で女子マネの吉田さんに訊いて」
「うん、有難う、それと槇原君のポジションと背番号は何番?」
二日前にバスケ部の顧問から、7番のユニフォームと新人戦でフォワードのスターターを任されていた。
「一応レギュラーのフォワードで7番を着るけど、期待しないでね」
三年生の引退前、控えメンバーで公式戦デビューしていたが、4クオーターの三十二分、フルタイムの試合経験が無い僕はスタミナを含めて正直なところ自信が無い。
小柄の女子生徒を忘れた僕の好きな給食の後、掃除時間に廊下から、
「槇原君、ちょっとお願いします」
あの名前を知らない女子生徒が僕を呼ぶ。
「はい、なにか?」
「1組の吉田さんに聞いてきました、一般生徒の応援は駄目ですが、女子マネの助手なら体育館に入れるみたいです、有難う、私もマッキーって呼んで良いですか?」
何を言っているのか瞬時に理解出来ないが、
「それは良かったね、それって何の話だった?」
「バスケの新人戦ですよ、あ、私は三組の
「そう、コリンだね、うん又ね」
素っ気無いと言われればそうだが、関心の無い女子には充分過ぎる対応と思うし、女子マネやバスケ部を見学する女子の大半はキャプテンの
授業終了後に僕は部活へ一目散に向かう、まだ全員集合してないが先に着替えて、ジャンパー膝の僕は、両膝を大きく保護するサポーターを装着してアップを始める。
公式戦が近くなると、練習方法はレギュラー組と控え組を交えたミニゲームが中心でコンディションを確認する。
八月の夏休み中は持久力アップのハードワークに全身から汗が噴出したが、九月の残暑でも顔や体から流れ落ちた汗が、コートの床を濡らして足を滑らせる。
ゲームに参加してない後輩がモップで床を拭き、顧問の指示で順に交代した僕は、コート脇のベンチで息を整え火照った身体をクールダウンする横から、
「マッキー、スポーツドリンクよ」
声する方に向くと、女子マネ助手に成ったコリンちゃんが、僕に微笑みプラボトルを手渡して、それを受け取る僕はゴクリと一口飲んで、
「有難う、喉に沁みる、君はコリンちゃんだね」
「憶えてくれて嬉しいです」
一言二言の会話でミニゲームに戻り、その日の練習終了から掃除と片付け、女子マネの体育館戸締りからグループ下校した。
僕に取っては何も変わりの無い普通の一日が過ぎた、しかし送り届けたサヤカには普通の一日では無かった。
シャワーで済ます僕と入れ替わり、いつもは長風呂のサヤカも、この日はシャワーだけで髪と全身を洗い、僕からママのエミリさんへリクエストした麻婆丼の二杯を完食する。
「ご馳走様でした」
「はい、お粗末様でした、いつ見ても裕人君の食べっぷりはお見事ね」
食後の歯磨きから、今日の宿題は得意な数学と苦手な国語のプリント2枚、サヤカの部屋でテーブルに対面で座り、プリント2枚で60分と終了時間を決めて開始する。
数学は25分で完成したが、苦手科目の国語に苦戦する僕へ、それまでは静かだったサヤカが、
「私、もう直ぐ終わるよ、宿題が終わったらロト君タイムだからね」
サヤカが愛用する大きな熊の縫い包みがロト君で、僕がロト君の代わりにサヤカからハグされるのをロト君タイムと言う。
「国語は苦手なんだ、もう少しで終われる、かな?」
それは完全に僕の善い訳だが、プリントを終えたサヤカは立ち上がり、僕の後から、
「そこ、3問目を間違えている、7問目の答えも違う、もう、今日はイライラする日だったわ」
イヤイヤ、君のイライラで僕を責めても意味ないでしょう・・・
「もう我慢出来ないから、ロト君タイムスタート」
「まだプリントが終わってないからハグ出来ないよ」
「分かっているわ、前が駄目なら後から、エイ!」
フローリングのテーブルに座る僕の後から、サヤカは緩々の
「それってまさか?」
「そうよ、スエットの下は素肌よ、ノーブラって凄く開放的で楽チン、裕人君はオッパイが嫌いなの?」
日本中で女性のオッパイとカツ丼を嫌いな男は無い、それが僕の持論で人には言えないがオッパイ星人を自負する。
宿題のプリントを前にしても、僕の全神経が背中に集中する。
「本当に駄目だって、宿題が終われないよ」
「もう、さっさと私のプリントを写しなさい」
その手が有ったとサヤカのプリントを拝借して、手書きで丸写しした。
「裕人君、今日の私がイライラした理由が分かるよね?」
問われても心当たりが無い僕は首を横に振り、
「言われても分からない、サヤカの気持ちを聞かせて」
サヤカのイライラは、自分の不在時に隣のクラスから小柄な女子が来て僕と親しげに話し、二度目の会話ではコリンと名乗ったそれをクラスの女子から聞かされた。
校内では交際宣言とイチャイチャ禁止で我慢していたが、帰宅後のロト君タイムで、僕を問い詰めようと考えていたとサヤカは言う。
「ポジションチェンジです、裕人君が後から私をハグして」
ちょっと待って、スエット下が素肌のサヤカをバックハグって、僕は手のやり場の困る。
「それ無理だよ」
「禁止のキスやエッチじゃないよ、裕人君の胸にもたれるから」
そう言うと同時に僕の前に座り、身体を後に傾けるサヤカは僕の両手首を握り、服の上から自分の胸に当てる。
「私の胸はどうですか、気持ち良いって正直に言えるなら、サービスしちゃう」
服越しでもサヤカのバストが丸くて柔らかいと感じる、もっとサービスしちゃうにドキドキする僕は、
「凄く好いよ、服の上からでも気持ち善い」
「はい、よく言えました、じゃぁ、こうね」
僕の手首を掴んだサヤカはスエットの裾を持ち上げて、僕の手を自分の
僕の指が吸い付くように柔らかいサヤカの生乳、背中越しで完全には見えないが、僕の
サヤカの髪から甘い香りと、両手に感じる柔らかさが、十四歳の童貞には刺激が強すぎて下半身の変化に逆らえない。
「フフフ、こうしたら裕人君はどうなるの?」
変化する部位にサヤカは丸いヒップを当てて左右に動かして、
「これは今日のイライラした、お仕置きだからね」
「あ、サヤカ、もう駄目、うっ・・・」
それで僕の状況を察したサヤカは、
「裕人君、ゴメン、悪戯が過ぎたみたいね、私が洗うから着替えて」
サヤカの悪戯にあえなく暴発した自分が情けない・・・
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