第八話 予感
俺達が連れられた先は、空き教室だった。
椅子も机も何もない空間。
しかし、時計が何故か黒板の上と後ろのロッカーにフックで立てかけてて二つあり、黒板にはRoom3と書かれている。
そして、壁と窓には紙A4ぐらいの大きさで、埋まるぐらいに殴り書きをされていた。
読める言葉を一つ一つ見渡していくと、どれも("負")のイメージを連想するようなものばかり。
特に("敗北")と書かれている単語が圧倒的に多い。どうやら、この学校は最初から変だとは思ってはいたが、疑いようがないぐらいに普通とはとことんかけ離れているみたいだ。
小雪は絶句したような面持ちで、綾瀬は平常心を保つ為なのか俺の方をチラチラ見てくる。
ただ、何故か星野だけはニヤニヤしていて一面の壁を見ている。
これから起こる事に期待を感じているのだろうか。
俺達のグループの他には、最初の一グループ目に完成させたメンバーが全員揃っていた。
余裕を感じているのか、俺達に一瞥をした後時計の方に視線をやる。
誰一人とも、俺達に興味がないみたいだ。
すると上級生から、
「グループ決めが終わるまで、ここで、待機しといてくれ 次の相手は目の前だ」
と淡々と告げられた。
俺の周りにいる、女性陣はさらに緊張が走る。
小雪は、ぎゅっと俺の手を強く握る。
小雪の方を向くと今にでも泣きだしてしまいそうな顔だ。
それに対して俺は、小雪にだけ聴こえる声で("きっと大丈夫だ心配するな")落ち着かせる。
小雪は安心したのか俺の顔みてコクっと頷く。
だが、それは俺達だけではなく、相手のグループも表では、気丈に振る舞ってはいるが、目では動揺が隠しきれていないみたいだ。
演技の可能性も捨て切れないが、想定外の出来事でも起きたのだろうか。
とはいいつつも相手は恐らく強敵だ。
決して油断は出来ない。
正直いつかは面と向かう時が来るとは思ってはいたが、まさかこんな速いタイミングだとは。
それから、暫く時間が経ち12時にグループ決めの終了のチャイムが鳴る。
だが、10分経っても何も動きはない。
俺達が体育館から去った後どうなったかは
知る由もないのだが、これから始まる事について考えても仕方がないので気を紛らわせる。
俺の中では二つ答えが出ている。
それから、また20分が経ち12時30分を回ったところで、放送がかかる。
「全員のグループが決まったところで、今日最大の山場を越えてもらう。」
その内容とは、とても恐ろしいものだった。
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更新が遅くなりすみません。
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