第2話

どのくらいの時間が経っただろうか

俺は昼間のうちに学校内の魔物をいつしか狩り尽くし学校を後にし日が暮れ始めた夕方の街で魔物を狩っていた

魔物の知識がだいぶ増えていたが欠け落ちた記憶の一部は未だに戻らないでいた

今の俺の姿は翼の生えた猿魔のような感じ

位階のシステムも理解が進み最低ランクは1で最高が255だということ

そして今の俺の位階は120を超えたくらいだった

まだ半分いかないくらい先は長いと思った

目の前に巨大なドラゴン種の魔物が現れるまでは

それは確実に俺を見ていた

そいつは知性のある目をしていた

こいつはきっと俺と同じだ、直感がそう言ってた

俺は一旦仕切り直しするべくその場から逃走する

すぐ後ろから追いかけてくる気配があった間違いないやつは俺を倒す気だ

こんなところでやられてたまるか

適当な家の角を曲がった瞬間己の翼を使い空高くへと飛び上がる

やつは同じように曲がってきたがほんの一瞬俺の姿を見失った

この隙を逃すわけにはいかない

高度を生かして急降下しやつの目に鋭い爪を突き刺す

知性があるなら痛覚もある

やつは両目を一瞬で潰され苦痛に暴れるがそれは更に隙を与えるだけだった

俺はやつの首を爪で切り裂く

終わった

やつは力なく倒れ体が崩れ始める

そしてやつの得ていた知識と記憶が俺の中へと流れてきたがまぁ、どうでもいい

自分の位階はというと一気に上がっていた

位階209あのドラゴン種の魔物は相当強かったのだろう

そして俺の姿はまた変わっていた

インキュバスのようなもう見た目は人間に近い姿だった

魔物の知識も新たに得たがこれがおかしかった

位階が上がるとその位階に応じた権能を得る

最大になるとその力はとてつもないものになる

権能てなんだ

俺の位階ならもうそれを持っていてもおかしくないはずだが使い方なんてもちろん分からない

もっと魔物を倒して位階を上げなければ

あとどれ位浄化が始まるまで時間が残ってるのかも分からない急がねばと移動を始めた時1人の女学生が目に入った

あれは…

今の俺の中に存在しないはずの記憶が呼び覚まされるのを感じるあれは…あれは俺の幼馴染…

名前、名前は…分からない

思い出せない

どうして

きっとこれは大事な欠け落ちた記憶の一部のはず

俺がそんなことを考えているうちに彼女の姿は見えなくなっていた


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