『ばすたぶるけのわん』 その5
中の存在は、ひとりで愚痴った。
『ぼくは、デジタルオンチーマンで、社会の異端児だ。だから、定職にもつけなかった。アナログマンは、屑だ。そう、言われる。駆逐されたはずの、怪物だ、とか。エイリアンだ、とか。だから、このバイトも、わかるふりして、やっと掴んだけどね。相手は、わかってて当たり前だから、なにも、聞きもしなかったし。だから、緊急帰還したら、恥ずかしいな。3日間、居ればよいだけだ。しかし、機械が故障したなら、向こうのせいだ。帰れなくなったら、どうしよう。記録は始まってると思う。タイマーが、減り出したから。我慢しようか。』
どわっと、不安が押し寄せる。
一方で、やましんは、さらに、困っていた。
『まずいな、おしっこ近くなった。いざとなれば、仕方ないよ。でも、このままでは、まずい。それだけではすまないだろ。って、自宅だからね。不法侵入だよね。まず、話しかけてみようか。神様や、幽霊さんではないだろう。宇宙人的なものなら、知性があるだろ。危険生物なら、話しかけても反応しない。だから、問題ないはず。生命体X、とか、人喰いアメーバ、ブロブ、とかは、トラウマだな。でも、そうなら、もう、出てるよな。やってみよう。どんな、映画でも、まずは、話しかけてみる。勇気だ。ジュリー・アンドリュースさんも、そう、歌った。あ、こんこん。あ、え、もしもし。もしもし。』
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