第21話
「実は……」
さっきまでとは打って変わり真面目なあかりを見て戸惑ってしまう。
「実は……私は、あなたの双子の妹です」
え。
突然の告白に頭が追いつかない。
え、まって。
僕と……あかりは……兄妹……?
「私の母親……つまり晴希の母親でもあるのか。まあ、その人が亡くなっちゃったんだよね、事故で。それで、私は父親がいないから、親戚を探したかったんだよ。それで……いろいろ調べてみて、晴希にたどり着いたの」
これが現実に起こっているのかすら分からなかった。まさかクラス一の美少女の双子の兄が元陰キャでモブ男だなんて……。
どれくらい時間がたったのだろう。
僕は驚きのあまり言葉を発することができないでいた。
でも、どこか納得したような気がした。
いままでのあかりの気がかりな行動の謎も全て解けた。
そして、つまり……。
「家族に……戻りたいんでしょう」
うつむいていたあかりの肩がビクリと震えた。
そして、ゆっくり首を縦に振った。
「ごめんね、迷惑かけてきちゃって。明日、一緒に端爪さんのところに謝りに行こう。事情を説明して。本当にごめん、このことを言うタイミングを逃しそうで不安だったの」
「大丈夫だよ、でも本当に驚いたな、まさかあかりと双子だったなんて」
まあ、一件落着したみたいで良かっ……。
ん?待てよ?
今日から……僕と……あかりは……一緒に住む……っていうことになる……よね?
「うっそだろ!」
「ちょ、何、うるさい!」
びっくりして言い返してくるあかりに返答する余裕すらなかった。
これからどうしよう……。
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