クラス一の超美少女の幼馴染と化した件について

変化

第9話

「おはよっ」

「おはよう」

賑やかな高校の昇降口で並んでいるのは僕とあかりだった。

クラス一の美少女と陰キャでモブ男が一緒に並んでいるなんて異様な光景だっただろう。…前までなら。

でももう今は違う。

卒業式のあと、僕はあかりに頼んで陰キャでモブ男を卒業したのだ。

あの後何が行われたかというと…、

①美容院で髪型を変える。

②メガネをコンタクトに変えるためにコンタクトを買いに行く。

③スマホカバーをよりおしゃれなものにする。

そんなこんなで、僕のお財布の中身はすっかり空っぽになってしまった。

せっかくの月に一回のお小遣いも、中学で終わりという約束だったから、せっかく大事に取っておいたのに…。

「クラス発表、もう少しだね」

「そうだね」

あかりはなんだか緊張しているようだった。

クラス一の美少女でさえ、高校は緊張するんだ…。

もちろん、僕だって緊張している。

なぜって、陰キャでモブ男を卒業し、高校デビューをする予定だからだ。

ん？でもなんであかりまで緊張するんだ？

「なんで、そんなに緊張するの？」

「え、だって、そりゃするでしょ」

え、だって、って言われても…。

「だって、同じクラスにならなきゃ、完璧、かつこき使える幼馴染を作った意味がないじゃん！」

え、もしかして…。

「もちろん！　高校でも宿題とか見せてもらうから！　よろしくね！」