第7話
「…あのさ、僕からもお願いがあるんだけど…」
「何? 早坂くんからのお願いなんて珍しいじゃん。なんでも言って!」
そう、僕は、クラス一の美少女の本物の幼馴染になるに当たり、あかりに頼んでおきたいことがあった。
それは…、
ズバリ、陰キャでモブ男を卒業することだった。
で、どうやって卒業すればいいか、あかりに相談しようというわけだった。
僕は彼女の反応を伺った。
彼女はじぃっとこっちを見つめていて口を開こうとしない。
…やっぱり、こんなお願いなんてだめだったか…。
そう、諦めかけたとき、彼女はいきなりニコッと笑って、
「ついにやる気がでたか! やっぱりそうこなくっちゃ!」
といった。
そう言って、僕にお礼をいう暇も与えず、僕の腕を引っ張って、教室を飛び出した。
みんなの視線がこちらに一気に集まる。
だって、クラス一の美少女が陰キャでモブ男を連れて教室を飛び出したのだから。
しかも、卒業式が終わり、ついにみんなお別れというときに。
わーわーうるさい教室を出て、彼女が向かったのは、美容院だった。
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