第6話
「卒業、おめでとう!」
今日は卒業式。
色々あったが、無事、受験も終わった。
「早坂くん、卒業おめでとー! お互いに」
いや、卒業はおめでたいが、あかりとは高校でも同じになる可能性が極めて高いのだが…。
「お、私とは高校でも同じだからこんな挨拶はいらないという顔をしているな? …甘いっ! 私だって、高校デビューしたいのであります! そして早坂くんと『本当の幼馴染』となるのです!」
ちょっ、日本語が壊れてる…。
ん?本当の幼馴染?
「そう、この機会に色々、変えるよ!」
色々…?
彼女からの提案は次のようなものだった。
①名前の呼び方を下の名前にする。
②お互いにタメ口で喋る。
「どうせ、※※高校に行く、同じ中学の人なんて、そんなにいないでしょ? だったらこれくらいしてもいいと思うんだけど」
まあ、確かにそうだ。
そうか。
じゃあ、俺もこの機会に高校デビューするのも悪くない。
「では、…じゃなくて、じゃあ、タメ口で話すね。…あかりさん」
とてもじゃないけどこんなの耐えられない。恥ずかしい。
…少なくとも今は。
…本当にだんだんなれるのかな。
けれど、彼女は不服そうだった。
「だめ! さん付けじゃなくて呼び捨て! 晴希」
「あ、…あかり」
「そう! それでいい」
あかりは嬉しそうだった。
「じゃあ、今日から私達は本当の幼馴染だね!」
クラス一の美少女の幼馴染か…。
悪くないかもしれない。
でも、それなら…。
「…あのさ、僕からもお願いがあるんだけど…」
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