第237話・高天会議
次の日である。クー子女性神族の礼装でもある水干に身を包み、水引という髪留めでくくって
袴は正一位として、公式の場で着用を義務付けられている紫に白紋。
クー子は高天会議を、公式の場と思っていたのだ。そして、失念していたのだ。神々のユルさを。
「クー子よく来た! こっちだこっち! ほんとよく来た! 随分と……めかし……こんで……」
よって、出迎える
一瞬はやってしまったと思ったクー子ではあるが、畏まった服装が二人いた。
「あれ? 高天会議って……」
クー子が困惑した顔をしたところ、
「言い忘れた。すまない。春頃は
そういう空間なのだ。春は期待に胸を膨らませる時期。期待がなきゃ、頑張ろうなんて気にもならないのである。
「そうだったんですね。今度、服装とかのこといろいろ教えてください!」
クー子が言うと、
「いつでも頼っておくれ! そのための先達だからね!」
神々は懐が深いのである。
やがて神々はどんどんと集まる。集まりきるすんでのところで、
みゃーこは、少しだけバツの悪い顔をしていた。やはり、クー子はヤっちゃっていたのである。
「さて、皆の者よく参られた!
「天地乱れてより長く。我ら夫妻、いがみ合っていた事をお詫びします」
「これより手を取り合い、共に邁進する為、我が子らと、その教え子たちの力をお借りしたく。畏まって、申し上げます」
二人はとても畏まって挨拶をしたのであるが、それは
「「「おおおおお!!!」」」
よって、神々は盛り上がる。
「いくらでもお貸しいたしますよ!」
「一丸となりましょう!」
方々からは、歓喜の声が鳴り響き。正一位の全てがそれを祝福した。
そう、この報告とお詫びのために、二人は礼装を纏っていたのだ。これにて一件落着と相成ったのである。
「良かったぁ……」
「泣くな姉貴……」
「スー君も泣いてるじゃん……」
この二人にとっては心から感慨深いものである。かつて兄弟喧嘩したときの引き金は、
今やいつでも会える。心配事は綺麗さっぱりと消え失せた。
よって、綺麗事が支配する時間が訪れる。
「じゃあ最初の議題です! 豊穣大明神が任期満了を迎えましたが、次にどなたを推薦しましょうか!」
そんなこと、満場一致で決まっている。億年単位でずっと善政をしいてきた神が推されるのだ。
「「「
それはまるで祭りの掛け声のようである。一応は政治だというのに賑やかで和やかである。これで大丈夫なのだ。なにせ神だから。
「はい! では、次の豊穣大明神も
まるで、アイドルとファンが掛け合うように、
「「「異議なし!」」」
レスポンスにはクー子たち駆稲荷も参加した。クー子もようやくわかってきた、この高天会議というものが。
「で、
こんな大切なことだからこそ、ドンチャン騒ぎに
当面のことは実現可能かどうかも含めて考えて、未来のことはゆっくりと時間をかけて考える。そこらへんは、宇迦之御魂はわきまえていて、実現不可能なことは口にしない。
「「「
実現可能であれば、そんなもの毎年やりたいのが神々である。稲荷の系列で主神が増え、体調も万全。満を待して、行える。神々はその時点でお祭りムードだ。
「あー、すまん。それでなんだけどね、クー子に祭りの様子を放送してもらおうと思ってるんだが、大丈夫かね?」
だが、当然議論はしっかりとする。
一旦
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