第210話・黒ギャル
その後、朝食の時間は訪れて、全員食卓に着くことになった。
「ひっ!? なんで
「怯えずとも良い。みなかっつぁんだ! 私がいるのは、英雄の治療のためだ!」
しかしとて、強すぎる権威のせいで寂しい思いをしている
「あ、いいの!? じゃ、みなかっつぁん! 英雄ってだぁれ?」
そう、この
「ぬははは!
だが、
「も、もう英雄なの!!??」
ゆえにしっぽの毛を逆立ててしまうほどの驚きようだったのである。
神のコマ初めて二年以内など、ほぼほぼ現し世の生物である。あるいは神から生まれて二年目など、その年齢通りに赤子である。
「そこのクルムはな、
それは間違いなく英雄の業。天御中主は得意げに言うも、
「創世の矛ですか……是非お目にかかりたいものです」
朝食の時は
「うむ、近いうちに
そんな時、陽が何かを言いづらそうにしているのをクー子は見た。陽は自分の感じた
気付いた瞬間からずっと……。
「陽ちゃん、何か言いたいの?」
クー子の声に陽は肩を跳ね上げる。
「えっと……
陽は自信なさげにクー子にそれを告げる。
「失礼とか気にしなーい! 橋渡ししてくれる気でしょ? やってやって!」
だが、そこで
「分かりました……。
自身がギャルのそのスッキリ感に憧れただけに、陽は人一倍それに敏感だった。
「褒めてんのー?」
そんな説明をされた
「え……えと……そういう部分もあるかと……」
陽はタジタジである。ただ
「にゃははは! ガッチガチじゃん! もっとリラックス!」
そのあたりは、
「んー、じゃあ……。さっきクルム嫌がってたんですけど!」
そこでクー子は怒りを顕にしてみることにした。最悪でも、クー子がやれば
「え!? ごめん! ちょっと頭の中ピンクだった! ごめんね、クルムちゃん!」
ただ、陽の言ったことは正しく、
「ん……。クー子しかしない!」
ベタベタとするのはもはやクー子のみと、自らの操を
「ふむふむ、なるほどぉ……」
だが、恋バナは
「
涙目でみゃーこが訊ねたのだ。割とみゃーこと
よって
「みゃーこ、ほたるん、別! 家族!」
そう、ベタベタの種類が違うと思い至ったのである。姉妹のじゃれあいや、家族のじゃれあいは、恋のじゃれあいと違うのだ。
「ほっといたしました!」
途端、表情が華やぐみゃーこ。
「あ、私もなのですね……」
思わぬ流れ弾に面食らった蛍丸であった。
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