第195話・みゃーこの学校
神の
ゆえに、幾柱かの神とそのコマを収容できるように設計されているのである。つまり、現在でもクー子の社は部屋が余っていた。
「せ、生徒役に、
そこでクー子は道真に様々な提案をした。一つ、いつでも自分がトラブルシューティングをできるようにこの社で放送すること。そして一つ、生徒役として
ここにはクー子の思惑が潜んでいた。
「本人たちに聞いてみてだけどね! みゃーこ、学校に通ってみたいって言ってたから!」
要するに、クー子は二人がやりたがることだったら全力で応援したいのである。それはクー子にとって当然である。
「あぁ、それなら遠慮なく教鞭を預かれます! 早速、お二人にお尋ねしに参りましょう!」
道真もかなり希望を膨らませている。みゃーこ相手に授業をするとき、それは確かでないことまで話してしまえそうな予感がするのだ。
神の視界は世界の全てに届いている。とはいえ、神が少なかった時期もあり、学説でしかないことも数多存在する。例えば、
全ての文字言語の起源は宇宙の起源である
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
二人はみゃーこと
「こんにちは、お二人共。神としての私の仕事をお手伝い頂きたく参りました。私はこれから、授業をするチャンネルを開設します。お二人に頼みたいお手伝いとは、その授業を受けてもらうことです」
道真は誠心誠意二人に伝える。しっかりと道筋を通しながら。
「みゃーこ、これはみゃーこの従一位としての初仕事だよ!」
クー子はその時に思った。そう言えばさらにみゃーこはやりがいを感じるだろうと。
「もちろんでございます! ぜひ!」
みゃーこはクー子が思ったとおりの返事を返した。目をキラキラと輝かせながら。
当然である。学校に通ってみたかったという願いが叶えられて、ついでに初仕事への期待も膨らんでいる。思いははち切れんほどになったのである。
「みゃーこ! 一緒!」
そして、
勉強と遊びは両立できる。
「楽しませられるよう、尽力致しましょう。これほど、学ぼうという意欲を持ってくれるのです。そうでなければ、教師の名が廃りますね!」
子供が勉学に期待を寄せる姿を見て、腕が鳴らないようであれば
「つまらないって思ったら、ちゃんと言うんだよ! 私でも、ほたるんでも!」
クー子は言う。いつでも二人が逃げることができるように。自分の意思で勉強ができるように。
「クー子様! なぜ私もそこで上げてくださらないのです!?」
道真は一番には自分に伝えて欲しいと思った。楽しくない授業をしてしまったのであれば、そうであると教えてもらえない限り改善ができない。
「でも、道真様がつまらない授業をする姿は想像できないですよ?」
みゃーこの言葉には、多少のおべっかが含まれている。
「ん……」
だが、同意する
「私も時折やってしまいますよ。急ぎすぎてしまうことがあります。なのでどうか教えてくださいね」
道真がつまらない授業をする原因はそれだ。高度な内容を話しすぎて、生徒を置いていってしまうのだ。とはいえ、それも最近はほぼない。神になってからも道真自身も成長し続けているのである。
「分かりました!」
みゃーこは手を上げて了承の意を強く示す。生徒に親身で、いつも楽しい授業をしてくれる先生。そんな人物は、もちろん愛されるのである。
「楽しみ……」
そんなことも言っていいのだと思えば、
「では、楽しみにしていてください! さて、クー子先生。この道真にインターネットのなんたるかを伝授してください!」
「うん! ネット免許皆伝まで教えちゃう!」
クー子がそもそも皆伝と言えないのに、その自信がどこから来るのかは極めて謎であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます