第194話・クー子ちゃん先生
そんなホッコリとした朝食の後、
よって
迷信でもなんでも、拝むのはタダ。それでいいことがあれば嬉しい。なかったとしても自己満足を買うことができる。コスパ良しと判断しているのだ。
閑話休題。
そんなクー子の社に、かの天神様、菅原道真が訪れていた。
「クー子様、突然の訪問を申し訳ございません。実は大社完成のお祝いに訪れたあと、
学校を作るだけなら、
ただ、それで学校を作ってうまくいかない可能性は多いにある。なにせ高天ヶ原の学校と、現し世の学校は、違いすぎるのだ。
「ごめんね、道真くん。先生な知り合いはいないかなぁ……」
当然居たとしても、それを知ることは無理だ。先生ですという名札を引っさげてネットに現れたりなどしない。
先生という職業は確かに権威的ではある。だが、権威税と揶揄したくなるようなことも起きるのだ。
「まぁ、そうですよね……」
がっくりと道真はうなだれた。
「クー子よ! インターネットビジネスに詳しいそなたに、出資を募る案はないか? それと、道真よ! デモンストレーションを行うのだ!」
別に資金など
「うーん、あ! 使えるかもしれないモノあります! そのためには、まずは道真君に放送を始めてもらわないと……。題して、ガチ神授業です!」
クー子のネット習熟度は少しづつではあるが上がっているのだ。今回はクラウドファンディングなる用語を思い出した。
といえど、クー子のネットリテラシーはガバガバのままである。
「放送ですか? クー子様とコラボではいけませんか?」
クー子が知名度を貸すのは悪くはない。だが、イメージがあるのだ。学校というのは権威的でお堅い施設である。クー子の放送はそんなお堅い雰囲気とは真逆なのだ。
「ダメです! 私とのコラボじゃあ、先生という印象が作れません! 私はほら……ポンコツ配信ですから……」
神バレヒヤヒヤ配信であるクー子の放送が、そんな印象を作れるはずがないのだ。
「決まったな! では、道真よ! クー子からまずは配信の極意を教わるが良い!」
それは、
ゆえに、他の神々に教えることもできるだろう。後々神にネットを教えることのできる教育者が生まれる可能性が高いのだ。
「かしこまりました! 学業の神の名にかけて果たしてご覧に入れます!」
道真も気合充分。さぁ、学ぶのだと瞳に光を宿した矢先のことである。
「うむ! 良しや! して、クー子や。自らポンコツと語って恥ずかしくはないか?」
「自分が一番傷ついてるんですから言わないでください!」
涙目のクー子であった。
とはいえ、そんな理由で第一人者を見下げるものはそもそも神階を得ることができない。
「あはは、それでも私には先生ですよ! よろしくお願いします、クー子先生!」
道真は先生である。ならばこの爽やかで人当たりのいい笑顔もお手の物。それに道真自身もワクワクしていたのである。
この日からクー子は道真にインターネットを教え始めた。そして、地頭も大変良い道真はブラックホールよりも貪欲に吸収してしまうのである。
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