第185話・績和実
その後、クー子たちは
「なるほど、そのような由来でクルムとお呼びになると……。誠、良きあだ名ですね! クルム様、お幸せになられたようでなにより!」
「ん! クー子は……最高の……神様!」
でもまだ、
ここらへんの判断は直感であろう、少なくともこの場の者は基準を見いだせなかった。
「そうですね! しかし、クルム様はすごい時期に立会いましたね! まさか、主神になられるとは……」
「それなのだがな……私がずっと裏に潜んでいたようなのだ。おそらく、クー子が人の子を助ける。それが、イサナミを
この至高神は何度もこのことについて謝っている。本当に心の底から後悔をしているのだ。
「もういいですよ! クルムが体罰したので終わりです!」
クー子は言い張る。
「ん! 復讐した! 終わり!」
「ありがとう、二人共」
許してくれるのは純粋に嬉しく、それだけに二人の心が和魂として本当に正しいのだと感じた。
「そうだ、イサナミ様? 我々が聞いている中で、イツァナミ様と聞いていたのですが、何分古い伝承です。正しい発音が失われてしまいました。再び、お授けくださいませんか?」
「うむ、イサナキはまだダメだが、イサナミは思い出す頃だろう。
「なぜ、今のように伊邪と書くようになったのですか?」
「イチャイチャしなくなったからだ! だから、二文字に別れた。伊邪と二文字になったのは、反抗期で喧嘩をしたからであるな!」
夫婦喧嘩中に、仲睦まじく在れよと込められた願いをそのまま名乗るのは気まずい。よって、イツァは元々一字だったものを二字に分ち名乗るようになったのである。
「そ、そんな!?」
そんな理由で……とは、思っても言えない
「なるほど、イチャイチャを忌んだわけですね! 全く、
憤慨するみゃーこ。それで、自身の道を忘れてしまうなど、本当にくだらないと思ったのだ。なにせみゃーこはこの頃、
「そう言ってやるな! あれも、幼い神だ。私の半分も生きておらぬ! 故、過ちもあるのだ」
と、
「アハハ……
と、笑わずにいられないクー子であった。なにせ、
137億歳の
「えっと……スケールがよくわかりません……」
人間にはそれで仕方がないのだ。
「
と、陽は耳打ちした。それはそういうものだと、早々に受け入れるべきという話である。この社と関わって久しく、そして前世すらあるゆえに合計年齢が
「成長する速さは人も神もそれぞれ。ほれ、みゃーこなど誠に速いぞ! クー子も速かったがな!」
と、
もはや年齢など単なる数値。生まれも育ちも違えば、親も子も違う。取り巻く環境の全てが、子を育てるのである。環境の
気の強くなかった
「イサナキや、悪いことをした。しっかりと産んでやるべきであった……」
「過ぎたこと……仕方ない!」
元々恨まないと言ったことがなければ、本当に許していたかどうかは微妙であるが……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます