第184話・KANNNUSHI
神だけで
「ごめんね、あんなお出迎えで……。
茶の間に案内したクー子は、蛍丸にお茶を入れてもらいつつ細石彦をもてなした。
「うむ! 洒落が効いていたであろう!?」
なぜか
「はい! 驚きました! 神々に出迎えていただくなど、光栄の極みです! それに、なんだか緊張がほぐれました」
おべっかの部分があり、そして真実の部分があった。神に仕える一族の者として、
「うむ、人の子は礼儀正しいのう……」
と言った、
「あ、なるほど! やりすぎです!
だが、汲んでしまうのが
「あなや!? 愛しや!」
人間で
「とりあえず、改めて自己紹介ね! 私が
と、少しばかり間違った自己紹介をするクー子は、
「君は
そう、クー子は主神となったのだ。その自覚が追いつくにはおそらく10年ほどかかるだろう。神は気が長すぎて、このあたりが問題である。
「あ、そうでした」
と、クー子は後頭部を撫でた。
その、茶の間にはみゃーこに
「従一位にして補佐を務めます、
それぞれが自己紹介を始め、その順番はこの社に来た順番である。
「
だから、最もヤベーやつが二番目になった。
「
そして、
そして、蛍丸は典型的な没収された神器。三種の神器よりヤベーやつと、簡単にわかってしまうのである。
「いやはや、流石神の世界です。我々人間には想像を絶する力をお持ちのようでして……」
絶句だ。なにせ、その蛍丸が自分の前で最も低い神階を名乗ったのだ。
「我々、かなり特例的に神階を頂いておりますので、どうか気楽にお願いします!」
と、みゃーこが補足する。必死なのだ。あまりかしこまられ過ぎないように、程よい関係を築くために。
「かしこまりました。では、神々との関わり方はは陽様や葵様が最も良く心得ていらっしゃるはず。ご教授願うことにいたしましょう!」
今の人の世、最も神と近いのはその二人である。陽に葵、二人共神々に直々に鍛えられ教えを受ける存在である。
「うぇ!?」
ただ、飛び火した陽は気が気ではない。なにせ、陽の側も
「なにを驚かれます? 実質的には、陽様が神主でございますよ! 私はただ、政と繋ぐ役目。古代日本のしきたりの、女性
と、
古代日本は女性祭祀王と男性統治王の世界だった。中世ヨーロッパなどにも見られるが、宗教勢力というのは極めて強い。女性祭祀王は実質的に、男性統治王以上の権威を握っていたのである。
古代の女性祭祀王は権力に固執しなかった。故に、統治王を立て、相互協力関係で国家を運営していたのだ。
「それに、陽ちゃんって前世の記憶あるしね! あ、陽ちゃんは
クー子が明かしてしまった。
「それはそれは! ますます篤く敬いませねば!」
「バラさないでください!」
陽は陽で、JKをやっている今の自分と、前世の自分を結び付けられるのは、恥ずかしくてしかたがなかった。
「当面は、仮に神主として様子を見るが良いだろう。そのまま、
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