第183話・細石彦
クー子という神は、存外に色々な神と関わっている。匿名で鈴が届くも、出来栄えで誰が作ったのかがわかってしまう。この出来であれば、まず間違いなく
また、ほかにも蛭子からコマ狐の石像や手水の
ギラギラとけばけばしい光を放っている様相ではない。色合いは落ち着いて、それでも空間に満ちる香りや、作りの良さがひっそりと上品にアピールしてくる感覚である。
人間とだって、深い関わりを持つきっかけをクー子はたくさん作った。よってやはり人も訪れるものだ。
その日、クー子の社にはこの日本において裏の皇室とも呼ばれる隼人の末裔、
境内には陽が居る。クー子の社は本殿に拝殿と手水舎が完成したところ、神社としてとりあえず拝むことはできるようになった。流石の猿田彦である、工事が異様に早く進むのだ。
「すみません。
「はい! 巫女を務めさせていただいております、倉橋陽です」
まず、
「
要するに、クー子の社に務めたとして、クー子が
「ご丁寧にな対応、心より痛み入ります。
陽は
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本来
「あの……なぜ、
直近で
「私はクー子の治療をするためにしばらく常駐するのである!」
仁王立ちで堂々と宣言する、後頭部異常発達小柄おじいちゃん。
「あの……
宮大工の元祖がここにいた。
「クー子さんの社建設中です!」
仁王立ち物腰柔らか天狗、
「あの……なぜ
「ついでに新婚旅行も兼ねています!」
晩婚気味の
「
中央に立たされて冷や汗をかいているクー子。まるで、率いるようなポジションに立たされていた。
そう、
「う……うん……」
クー子は焦っていた。
そんなクー子たちの後ろにぬらりと、さらに混沌が現れた。それはなぜかハリセンを手にした美丈夫で、
「人の子をからかいすぎです!」
デリバリー
「おふっ! いや、すまぬ! 前回は説教だった故な、此度はお茶目に登場したのである!」
額を撫でながら
「えっと、これ……」
「諦めてください。我々の神々、こんな感じです……」
世界では、伝承が途絶えた神もいる。お茶目すぎて権威性を失ってしまった神々である。だが、日本は皇室を現人神のまま維持してしまったがために、伝承を途絶えさせることを許してもらえなかったのだ。なにせ、完全伝承者の
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