第178話・着工
クー子たちが社の中の
「「「うわっ!?」」」
そりゃもう、一同ビックリである。いきなり三人……いや、三柱も現れたのであるから。
「もう!
クー子は笑いながらもほんの少しだけ怒った様子である。
ただ、その言葉を聞いて、人間組はガタガタと震えだしたのだ。この宇宙の開闢を司る最初の神が目の前にいる。無理もないことである。
「ふははは! 失礼した! さて、クー子よ!
そんな言葉の途中、
「うむ? そなたら、何処かの社の巫女であるか?」
「掛けまくも畏き、
「掛けまくも畏き、天御中主神! 我、
相手が、至高神だけに神職二人組は、訊ねられたら全力で答えざるを得なかった。
「ふむふむ、では陽や。君を、クー子の大社の巫女として勧誘したい。……すかうとなるものであるな!」
と、
「しかし、豊かな森ですね。良質の木材がいくらでも取れます! 腕が鳴りますよ!」
「さるたん、
「相変わらず、仲がよろしいですね!」
クー子は、そんな二人をちょっと微笑ましく見ていた。
二人の夫婦歴は大体3000年ほど。クー子が生まれた頃、日本に
「まだ新婚だもん!」
新婚の基準も割と神スケールだ。人間にとって悠久でも、神にとって瞬く間なんてことはザラである。
「ところでクー子殿!
そして、
「あ! ねぇ陽ちゃん! そこで
だが、そもそもクー子は乗り気である。
「クー子さん!? 俺……ちょっと……」
大社で
なにせ前世は男であり、そんなことをしてしまえば性自認が揺らぐ気がしてならない。
「良いではないか! 工事の間は、
だが、
「教えてあげるよ!
「うーちゃんは、本当に上手ですよ」
と、
「わ……分かりました……」
否定できるわけない。三柱(至高神含む)による説得を断ることができる神職など存在しないのだ。
「あ、あと、悪い神通力を変換する舞もあるから、それは
舞は様々な力を持っている。
「よろしく……お願い……します!」
「何この子可愛い……」
礼儀正しいケモ耳幼女に庇護欲が掻き立てられない女神など、
「さて、では話もまとまったところで、
「任せてください!
そして、ニッカリと笑うのだ。既に、少年の……否、大工の顔である。
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