第174話・衝撃
しばらく時が流れて、クー子たちはすっかりと歩けるようになった。
その間、みゃーこも度々クー子たちの病室に泊まった。その理由は三つである。一つは、
特に
二人が歩けるようになって、外へ踏み出すと、それが奇しくも高天ヶ原の桜前線のようになったのだ。
「あれ?
「一つ尾、タレ目にコマ狐二人。間違いない」
クー子の知名度は爆上がりしていた。もはや
理由は本当に様々である。一級事変初参加で、アステカ最高神級の
クー子の名声は、もはやこの
とはいえ、
なにせ神。誰も彼もめちゃくちゃ育ちがいいのである。
「なんっであんたは、
それはそれとして、
そんな
「その……すまなかった。炎をまとっていたのはこいつ自身のせいじゃないもんな」
だが、
「ごめんね、
「カー兄は、私から生まれれば良かったんだよ!」
だが、そもそもの話。太陽に核融合の炎が灯ったのは、
「僕、テルちゃんよりお兄ちゃんなんだけどなぁ……」
とはいえ、
そんな
そして、この
そんなところに二人のそばを痣だらけ傷だらけのクー子と
ただ、その姿が
「ほたるんとも速く合流したいなぁ……」
と、つぶやいているクー子。蛍丸はクー子の元を、幾度か見舞いに訪れており、その際一級事変後もクー子の神器で有れるように掛け合うと言っていた。
「でございますね! 四人居りませんと、寂しく感じますからね!」
みゃーこは、クー子の社を離れるその時まで、四人であることを望んでいた。
「ん! でも……子の剣……居る。五人……」
と
その三人組の姿は、とても和やかだったのである。端的に言えば、親子的な雰囲気のイチャイチャをしながら歩いていたのだ。傷だらけ、痣だらけの、醜い姿を気にした様子の欠片もなく。
そう、外見はこの三人……否、クー子の
「ねぇちょっと聞いてるの!? キー君!!」
「ごめん、ミィちゃん……。今更なんだけど、俺、もしかしてすごく間違ってたのかもしれない……」
ただ、その衝撃は
「そりゃ大間違いだよ! カー君なんも悪くないんだからね!」
と、勘違いのまま口にする
「いや。それ以前に……いや、迦具土も悪くなかった。心から申し訳ない」
そして、ほどなく夫婦喧嘩は終わるだろう。数百万年も続いた、最古の夫婦喧嘩が……。
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