第173話・体罰
そんな話をしていると、困ったことに
「ん……んぅ……」
と小さく、可愛らしい、未覚醒の呻きをあげて、もぞもぞと体を揺さぶった。
「無駄話をしすぎてしまいましたね。
と、
「そのようだ……」
だが、
「やく……し?」
そして、あたりを見回すと、体に触れる体温がクー子のものであることを認識した。
クー子はずっと
「おはよう、クルム」
クー子は目を覚ました
「
ただ
「わかった……恨む……」
「それでも、ぬらりひょんとしての
それでも、
「いや、この子はそれもわかって恨むと言ったのだろう。恨むと口で言っておいて、私を許してくれたのだ。まったくもって、敏い子である」
その恨み節を翻訳するならこうである。“それであなたの気が晴れるのであれば、私は恨んでいるふりをします”。
「一発……」
と、
「甘んじて受けよう」
ペちん……そんな小さな音。それは
「晴れた……」
「まったく。クー子よ、大儀であるというのも恐れ多い。そんな風に、この
どこまでも尊い神を育てたものだと、
「その……」
クー子の心の内は騒がしい。宇宙創造の最初の一柱に我がコマが不遜にも体罰を与えた。それを受け入れる判断は、その最初の一柱のものであり、自分は否定するに能わず。それでも、恐れ多さは過分にして、なのに
でも、しかし、だけど……。そんな、逆接ばかりが連なるような心の内から言葉は出ないのである。
「ようやく、私も等身大になれた。ひどく、満足である」
と、
「クー子……ちゃんと……直して?」
「もちろん、この
神々の本気の医療が二人に炸裂している途中だ。危険な時期は終わった。もう、二人が悪くなる未来は残っていないのだ。
「お薬のおはなしはクー子さんにいたしました。後で、彼女からお聞きくださいね?」
こうして二柱の神は、クー子の病室をあとにしたのである。
後から、クー子を経由して
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※お知らせ※
新作、少しフライング気味に始めました。
お暇でしたらぜひよろしくお願いします!
https://kakuyomu.jp/works/16817330654101103799
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