第145話・ワンコマイシン
ツッコミ不在の空間を脱し、クー子達は
「
早速
「はしたないです! 女神同士で……そんな! そんな!!」
蛍丸にはあまりに刺激が強く、顔を真っ赤にして顔を覆っていた。
それはもはや、蛍丸時代の人間であれば情熱的な恋愛の表現だ。男女の秘め事の先触れだ。刀が鞘に収まり、
「ヒト科神族は、他人行儀に過ぎる」
親しくなったのに、なぜ舐めあうことをしないのかと疑問に思う
そんな蛍丸と
右と左から、みゃーこと
「あれ? もしかしてこの子……」
その控えめさに、
「そうなんですけど、あまり言葉にはしないでいただけると……」
クー子は思っている。
「うん、わかった! でも、二人がクー子ちゃんのコマなんだよね!? おばちゃんだよー!」
声があまあまな
血縁こそないものの、狼の群れなど家族と似たようなものである。その概念を用いて、神々の関係を理解している
「どちらかというと、お姉さまでございますね! お初です!
みゃーこは
寂しがり屋の年長者と言うのは、裏を返せば面倒見はとても良いのだ。ただ、子離れができないのが欠点である。
「ん! 美人!」
と、
もちろん、醜女など居ようはずもない。神であるからして……。
雰囲気は少しクー子と似ていた。ただそれよりももっと、可愛らしさが強い。少しだけ、頼りない感じがあるのだ。
「もう! 口が上手なんだから! じゃあ、お姉ちゃんだよ!」
「えと……。人……に……なる……できます……か?」
「やはりヒト科は慎ましやかすぎる! 我らであれば、出会って礼節が通ればその時点で家族も同然だぞ!」
その時、
稲荷より、イヌ科としての文化を強く残す大口神族同士の交流の話を。これらは、月夜神族にも通用する。なにせ彼らもれっきとしたイヌ科親族だ。
「じょ……情熱的過ぎます!」
蛍丸は、それに圧倒されていた。
そんな、
「おーい! かすみん! 人化できるか聞きたいってさ!」
「
もちろん、その答えを
「この子!」
と、差し出された
「うむ、誰でも彼でも人化ができるのは稲荷のみである。さすがは狐族であるといえよう。我は、できぬのだ……」
と、声だけは勇ましかった。
ただ見てみれば、
「クー子……すごい?」
と、
「全力のひめちゃん様には勝てないよ」
と、クー子は困って笑ったのだ。
一瞬落ち込む
「だって、私は正一位だもん! 戦神だし……」
だが、それは正しかったのだ。
さらに言えば、
クー子は自分を酷な相手と比べているのだ。
「
「うん! うー様とは仲良し!」
イヌ科神族の三柱目にして
だが、
「昔からの
と、クー子の言葉の昔は、神々にとっても割としっかり昔話だ。
そんな時、
緊張を和らげてもらうための行動をとりつつ、見つめる。これはイヌ科のボディーランゲージである。
「かすみん、ご飯楽しみ?」
と、
「い、いえ。そのようなことは……」
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