第133話・大嶽山母
そんな破天荒な放送が行われた次の日のことである。
クー子の元には、連絡が舞い込んだ。
『ねぇクー子ちゃん! 私もクー子ちゃんのところ遊びに行っちゃダメ?』
その声は、
さしもの
だが、それはクー子側の心情を紐解けば訳もわかろうものである。クー子は
神階的にはクー子は
「あ、もちろんですよ!
故に、
『え!? じゃあ、今すぐ行くね!』
当の
「はい! 是非!」
そんなわけで、その日は
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
山神というのは、得てして巨乳なのだ。日本最高の霊峰、富士山の神。芙蓉比売という神に関してはもはや超乳である。人類の下着換算で、Qカップになってしまう。
稲野山毘売だって、Kカップだ。これは最早巨と表現することさえおこがましい。
「大きい……」
「あ、こんにちは! あなたが
ついでに言えば、その身長も高めである。といっても、これでものすごく小さくなっているのだ。本当の身長は2250メートル。山神は本性で居るには体が大きすぎるのだ。
「こんにちは!」
「
クー子は
「うん! クー子ちゃんもこんにちは!
目線を合わせる。その行為は動物にすら通用する相手を安心させる行為である。戦いの場では体は大きく見せるもの。それと真逆の行為は、効率的に敵意を否定する。
「ん! くすぐったい……」
そもそも相手はクー子の客である。そんな神仏が、自分にひどいことをするはずがない。それはもう、嫌というほど身にしみていた。
そんな時である。クー子の社に、急に小包が届いたのであった。
「あれ? クー子ちゃん、
クー子は特に何かをもらう予定がなかった。それに例えば二級神器のような、重要品であれば、
「開けてみますね!」
そう言って、クー子は包を開けた。
そこには、いくつかの髪飾りと付け尻尾に際どい衣装までもが入っていたのである。つまり獣神なりきりセットだ。差出人はもう、考えるまでもない。宇迦之御魂と
「いろいろあるねー! あ、うさちゃんもあるよ! クー子ちゃんがつける?」
だが……。
「あー多分……」
クー子がその先を言おうとした時である。
「クー子様、朝食のお支度が……」
蛍丸がその場にクー子達を呼びに来たのであった。
蛍丸にとっては災難も災難。それは、
「あの子に
クー子は蛍丸を指して言った。
蛍丸は既にその耳や尻尾、衣装に至るまでを見ていた。そして、それが自分向けに贈られたことも理解していた。
つい先日、高天ヶ原での会話を聞いているのだ。そして、それらは無料であった。
「あら? あなた、付喪神……。すごく高位の付喪神ね! もしかしてクー子ちゃんの神器?」
稲野山毘売は蛍丸に詰め寄って、観察を始めた。
そこで、蛍丸は自分の非礼に気づいたのである。
「これは、
かと言って、
「あ、知っててくれたんだ! よろしくね! あなたがクー子ちゃんの神器でいてくれるなんてとても心強いわ! ところで、挨拶遅れたわよね?」
ただし、させたいことがない場合に限る。
だから、全く怒っていないにも関わらずあえて怒りを表現した。交渉のためである。
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