第125話・弥弥
そもそもが術式マニアのクー子にとって、それは楽しい時間であった。
「とりあえずは、
そしてもし、
それこそ完全な術だ。クー子は最後の姿はそれなのだと思っていた。
「クー子、急ぎすぎです。いきなり完成とはなりませんでしょう……。とにかく、弄りまわすのが大事です。確か、近年の人の子は、トライアンドエラーなんて言ってましたね! まずは、姿を変えることを考えてみませんか?」
結論を急ぐクー子を
「姿……えっと……、防御してくださいね!」
これでクー子は、普通の
「もちろん!
神々の中で最も術に長けるのが、
「行きますよ!
クー子の姿が真っ黒に変わる。それは、なんの変哲もない
「なにか分かりましたか?」
「えっと、考えてみればそりゃそうだって話ですよね……。輪郭が、曖昧なのかなって」
それは無限に力を取り込むためにわざと曖昧にされていたのだ。
研究、それは地道なトライアンドエラーの連続である。既知の知識でもうっかり見落としたり、あるいはよく知っていると思われるものも完全な理解に至っていなかったりする。
「うーん……輪郭を作れば制御が出来ると思うのですが……」
「あ、あえて一部だけにするとか!? ……あ」
発言をしながらクー子は気づいた。それができれば
だが、誰も気づいていなかったのである。既にそれを構成するためのパーツは与えられていたのである。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
結局研究はそれ以上進展せず、クー子達は
そこでは、
「そうそう! そんな感じで……あ、ちゃんとありとあらゆるものを味方と思ってね! はい、
「
真っ黒な小さな結界が現れ、その結界の外殻はふつふつと泡立っていた。
ただ、それはとても小さな結界だった。半径1メートルにも満たない小さな破滅の世界。それを作っているのは
「上手! とっても上手よ!」
「クルムちゃん、すごい!
と
「何を教えているんですかー!!??」
クー子は思わず咆吼した。
「ごめんなさい、クー子様止められませんでした……」
「同じくです……」
蛍丸とみゃーこは
だが、丸め込まれてしまったのだ。
用いた理論は、
「あ、クー子ちゃん! 見て、
性格的には悪くない神である。ただ、現状の
そんな話をしていたら、
ただ、とても疲れた様子を見せていたのである。
「
その口調からして、
「疲れちゃうねー! じゃあ、はい! この丸薬は、やっくん謹製だよ!」
「なんでクルムに
それは、あまりに早すぎたのだ……。
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